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クリエイティブになるための読書(100週目)

100週目に到達!

先日は、ブックオフにて、コナン・ドイル、アガサ・クリスティー、SFからは『三体』の劉慈欣の短編を手に入れた。仕事が煮詰まっていて、読書に集中できない日も多いけれど、間違いなく楽しい時間が毎日に待っていると思えることが喜ばしい。これが自分の創作の血肉になってくれれば、こんなにありがたいことはないが、続けることが大事なので、自分のメリットは横において、この時間を楽しみたい。特に、詩、短歌、俳句を読む時間は貴重だと思う。読書家の友人を見ても詩に触れている人は多くない。私だけの密かな楽しみが、私だけの自負を作ってくれるような気がしている。教養のなさを恥じて「評論・エッセイ」枠では普通のビジネス書や文化の解説書の類を読んでいるけれど、文章のおもしろさや論理展開のおもしろさに触れるために、いわゆるエッセイや評論文にもっと触れたいところ。ま、欲張らずに続けます。


「華氏451度」著者、レイ・ブラッドベリが講演で語ったクリエイティブを発揮する簡単な方法、クリエイティブになるための読書「毎日、物語1つ、詩を1つ、論考を1つ」を継続中。基本は平日のみ。はじめた頃は無料の青空文庫と、読み放題のKindle Unlimitedから読んでいた。その後、もっぱら図書館で借りていたのだが、2023年末に引っ越した際、部屋の整理が追い付かず、借りてきた本が売ってしまう本の中に埋もれては困る、と帰省の際に自分の部屋にあった本棚から持ってきて消化していた。今は、自分の本棚にあった本の他、主に、古書店で手に入れた本を中心に読んでいる。

当日、読む作品を選んでから読み終わるまで1時間くらいのことが多い。短い時は30分、長い時は2時間。毎日のことなので、できるだけ時間はかけない。かけたくない。

感想

馬場あき子さんの夫である岩田正さんの短歌がよかった。

世代ちかく生きしと思ひ親しみしイヴ・モンタンはわれを知らざり

イヴ・モンタンの枯葉愛して三十年妻を愛して三十五年

彼は、第一歌集を出してからずっと実作から遠ざかっていた、という話を聞いた。だから私は、歌人になりたいと思ったのかもしれない。詠まなくても歌人であれば、いつか詠むしかない。私の場合、6年間詠んで、いまだに納得できる短歌を詠めていない気がする。だから、一生かけて詠むしかない。歌人でなければ、ここで辞めてしまって、きっとそれで終わってしまう。何歳で死ぬかわからないけれど、死ぬ間際に一首でいい。納得できる短歌を詠みたいと思う。

評論

既読の『ちゃぶ台返しの歌舞伎入門』を久々に手に取った。一昨年までは、ちょいちょい歌舞伎を見る機会があった。あることがきっかけで歌舞伎を見る機会がなくなってしまった。これからは自分の意思で見に行かないといけない。見たい気持ちはあるので、少しずつ、NHKの放送や、過去に録画したものを見始めている。プライベートが混雑していて、なかなか見物に行けないけれど、近いうち、また歌舞伎見物を再開したいところ。

そんな気分の時に、ちょうど今週は、高村光太郎の詩「団十郎造像由来」も読んだ。歌舞伎役者の放つ身体の魅力を感じたいと思う。

物語

おそらく大学生の時に読んだ「舞姫」を久々に読んだ。

 嗚呼、余はこの書(ふみ)を見て始めて我地位を明視し得たり。恥かしきは我が鈍き心なり。余は我身一つの進退につきても、また我身に係らぬ他人の事につきても、決断ありと自ら心に誇りしが、この決断は順境にのみありて、逆境にはあらず。我と人との関係を照さんとするときは、頼みし胸中の鏡は曇りたり。

失恋した時、ここを読んで泣いたんだった。当時、自分を鍛えたのち、選択に悩まなくなっていた頃、つらいことを目の前に、何もできない自分に気づいてしまったので。今、自分の選択に自信を持ってしまっている危ういところだったので、ちょうどいいタイミングでこの文章に出会えてよかった。

実績

太字は、気になったもの、気に入ったもの

2024/2/10(月)
・【詩】囚人/われらの五月の夜の歌(「現代詩の鑑賞101」)三好豊一郎
・【エッセイ】昔むかし、作家は悪かった(「笑犬樓よりの眺望」)筒井康隆
・【物語】仙女たち(ペロー童話集・新倉朗子

2024/2/11(火)
・【詩】時まさに(「アメリカ名詩選」)E.E.カミングズ
・改革論の季節(「大英帝国衰亡史」)中西輝政
・【物語】移相夢(「しあわせの理由」)グレッグ・イーガン

2025/2/12(水)
・【短歌】岩田正(「現代短歌の鑑賞101」)岩田正
・【短歌評】第3回「気になるスキマ」(「すごい短歌部」)木下龍也
・【物語】鰻坊主(「剣客商売(四)」)池波正太郎

2024/2/13(木)
・【俳句】安東次男(「現代俳句の鑑賞101」)安東次男
・はじめに/隈取について(「ちゃぶ台返しの歌舞伎入門」)矢内賢二
・【物語】高名な依頼人(「シャーロック・ホームズの事件簿」)コナン・ドイル/延原謙訳

2024/2/14(金)
(寝落ち)

2024/2/15(土)
・【詩】団十郎造像由来(高村光太郎)
・言葉の綾(「文章読本」)丸谷才一
・【物語】舞姫(舞姫/ヰタセクスアリス)森鴎外

これまで読んだリスト

(同じことを試してみたい人のために。本を選ぶ参考にどうぞ)

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のーどみたかひろ
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。