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クリエイティブになるための読書(94週目)

年末年始は、平日にはなかなか読めない重めの評論や、物語枠で長めの戯曲でも読もう、と思っていたのに、まぁ、これまでの人生でそんな充実した休みの過ごし方ができなかった通り、今回も同じ休みの過ごし方になった。何とか、毎日(月~金)の読書を継続するために、楽に読める本の読書に終始した。筒井康隆がなければ、星新一のショートショートをKindleで購入しないといけなかったところ。そんなライトな読書に終始してなお、泥酔して読めない日がある体たらく。


クリエイティブになるための読書「毎日、物語1つ、詩を1つ、論考を1つ」を継続中。基本は平日のみ。はじめた頃は無料の青空文庫と、読み放題のKindle Unlimitedから読んでいた。その後、もっぱら図書館で借りていたのだが、2023年末に引っ越した際、部屋の整理が追い付かず、借りてきた本が売ってしまう本の中に埋もれては困る、と帰省の際に自分の部屋にあった本棚から持ってきて消化していた。今は、自分の本棚にあった本の他、主に、古書店で手に入れた本が中心。

当日、読む作品を選んでから読み終わるまで1時間くらいのことが多い。短い時は30分、長い時は2時間。毎日のことなので、できるだけ時間はかけたくない。

感想

いつか、漱石が若い時に親しんだという「楚辞」を読もうと思って、手に取った中国名詩選。「楚辞」の掲載された「中国名詩選(上)」は、楚辞のパートが終了したので中巻に移る。漢詩は好きだけれど、その中にさらに好きな漢詩に出会えれば、暗誦するまで声に出して読みたいのだけれど、そういう出会いは上巻にはなかったように思う。中巻に期待。

評論

マンガは好きなジャンルなので、マンガの評論・エッセイを書けないかな、と以前から思っていた。年末年始に取り組もうと、この年末年始は、橋本治さんの少女マンガ論『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ』ばかりを読んで過ごした。この本は、一つの作品を掘り下げて、論じる作品論ではなく、作家の生い立ちや性格、思考の特徴を想像して、作品にアプローチする方法を取っている。同じことができるわけじゃないけれど、大人になると、表現を作った作家の思考を感じ取れる気がすることもあり、このアプローチなら俺でもちょっと書けるかも! と思って、過去の作品の少ない、新しいマンガ家さんの作品を年末年始に読んだ。

が、どう読んでも、作家の思考まで踏み込めなかった。先にマンガ家さんのインタビュー記事を読んじゃうと、それに寄せてしまいそうな気がしたので、インタビューは読まず、藤本タツキ先生の過去の作品を片っ端から読んでみたけれど、「ああだ、こうだ」と決めつけて書くには、こちらの思考が足りず、事実をベースに半端なことしか書けなかった。残念。。またチャレンジしよう。

物語

高校生くらいの時だろうか、だいぶ読んだ筒井康隆の短編にお世話になった。最近、時間が取れない時は、10ページ程度と短いので、よく世話になっている。小学生の空想、中学生の理想、はすごく短絡的でシンプルだったけれど、それ以降、自分の妄想を逞しくしてくれたのは、間違いなく、筒井康隆だったろうと思う。ただ「夜のコント・冬のコント」には、今読んで、おもしろい作品に出会ってない。これも当時、楽しく読んだ記憶はあるけれど。

実績

太字は、気になったもの、気に入ったもの

2024/12/30(月)
・【短歌】賀歌(「山家集」)西行・佐々木信綱校訂
・【エッセイ】新田の館(「立子へ抄」)高浜虚子
・【物語】のたくり大臣(「夜のコント・冬のコント」)筒井康隆

2024/12/31(火)
・【漢詩】豫章行苦相篇(「中国名詩選(中)」)傅玄
・【評論】それでも地球は、廻っているのだ!―土田よしこ論(「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ(後篇)」)橋本治
・【童話】ねこ先生または長靴をはいた猫(ペロー童話集・新倉朗子)

2025/1/1(水)
・【詩】詩(「アメリカ名詩選」)マリアン・ムーア
・【エッセイ】報道番組は縦の変化球。/ぼくは絶対に政治家にはならへん。/大阪が国際化するために……。(「いつも心に紳助を」)島田紳助
・【物語】深川十万坪(「剣客商売(三)」)池波正太郎

2024/1/2(木)
(泥酔のため、お休み)

2024/1/3(金)
・【詩】暮れ方/いんげんの花をお持ちのケルンのお寺の聖母像/ホテル(アポリネール・堀口大學訳
・【評論】全面肯定としての笑い―吾妻ひでお論(「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ(後篇)」)橋本治
・【物語】愛撫(「しあわせの理由」)(グレッグ・イーガン

2024/1/4(土)
・【詩】冬の言葉/旅にやんで/ぼろぼろな駝鳥(高村光太郎)
・【評論】アタッカー型人材(「異端者の時代」)大前研一
・【物語】「聖ジェームス病院」を歌う猫(「夜のコント・冬のコント」)筒井康隆

これまで読んだリスト

(同じことをしてみたい人のために。本を選ぶ参考にどうぞ)

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のーどみたかひろ
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。