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不動産の訪問査定の実情。売却専門の不動産屋が解説
本日、福岡市内のマンションの訪問査定に行ってきました。机上査定の段階では、「室内はリフォーム済み」との情報をいただいていましたが、実際に訪問してみると想像以上に綺麗な状態でした。やはり、物件の査定は実際に室内を見てみないと分からないものです。
また、眺望の抜け具合やポーチの有無など、細かな点でも物件の印象は大きく変わります。そのため、具体的に売却を検討されている方は、多少手間ではありますが、不動産会社による訪問査定を依頼することをおすすめします。
他社の査定価格と現実的な販売価格の提案
今回、私が訪問したのは2社目でした。売主様に1社目(大手不動産会社)の査定価格を伺ったところ、非常に高額な査定額が提示されており、売主様も「本当にこの価格で売れるのか?」と疑問に感じていました。
大手不動産会社の中には、契約を獲得するために相場よりも高額な査定価格を提示するケースが少なくありません。しかし、その金額で売却活動を始めた結果、長期間売れ残ってしまい、結局は価格を下げざるを得なくなる――このような事例を何度も見てきました。
そのため、私は 「現実的な相場価格」 をご提案することを大切にしています。その上で、売主様のご希望や状況をしっかりとヒアリングし、適切な販売価格を設定することを心がけています。
不動産会社選びのポイント
訪問査定の際、とある不動産会社が「当社のホームページは閲覧数が多い」とアピールされていたそうです。しかし、現在の不動産市場では SUUMOやアットホームなどのポータルサイト で物件を探すのが一般的です。
物件を探している人が不動産会社ごとのホームページを何十社もチェックすることは少なく、ポータルサイトに掲載されている物件情報を一括で検索する方が圧倒的に効率的だからです。
そのため、不動産会社を選ぶ際には 「どのポータルサイトにどのように掲載しているか」 や 「営業担当者の販売ノウハウ」 などが重要なポイントになります。
営業担当者の違いが売却成功を左右する
不動産会社によっては、訪問査定の際には上司(ベテラン)が同行し、その後の販売活動は若手営業マンに任せる というスタイルを取っているケースもあります。
会社側にとっては効率的な方法かもしれませんが、売主様からすると 「最初はベテランが担当してくれると思っていたのに、実際の販売活動は若手に任されていた」 というミスマッチが起こる可能性があります。
私は、初回のご相談から売却活動、売却後のアフターフォローまで、一貫して担当 するようにしています。不動産売却は 担当者との信頼関係が重要 であり、売主様と二人三脚で進めていくことが成功の鍵だと考えています。
不動産売却では「会社のブランド」も確かに重要ですが、それ以上に 「担当者のスキルや誠実さ」 によって結果が大きく変わります。売主様にとって最も信頼できる会社・担当者を選ぶことが、納得のいく売却につながるでしょう。
仲介手数料の値引きよりも、販売力を重視すべき理由
「仲介手数料を値引きします」と提案する不動産会社もありますが、私は 目先の数万円の節約よりも、販売力の高い会社・担当者を選ぶことが重要 だと考えています。
なぜなら、不動産売却では 数百万円〜数千万円の価格差が生じることもある からです。
例えば、
✔ 仲介手数料を10万円値引きしてもらう
✔ しかし、販売力のある会社なら100万円高く売れる可能性がある
こうしたケースを考えると、手数料の値引きよりも 「いかに高く・スムーズに売却できるか」 に重点を置く方が、売主様にとって大きなメリットになります。
また、仲介手数料を安くすると、広告や販売戦略に十分なコストをかけられないというデメリットもあります。売主様としては、適正な報酬を支払うことで、しっかりとした販売活動を行ってもらう ことが重要です。
不動産会社の切り替えも選択肢の一つ
通常、不動産の販売期間は 3ヶ月ごとの更新 となります。しかし、3ヶ月経っても不動産会社の動きが鈍い場合は、別の会社に切り替える という選択肢もあります。
✔ 違約金は発生しない
✔ 販売会社を変更すると、インターネット上で「新着物件」として再掲載される → 上位表示されるメリットも
不動産売却では「どの会社に任せるか」が重要ですが、「どの担当者に任せるか」も同じくらい大切です。売主様にとって 最適な不動産会社・担当者を選び、納得のいく売却を実現する ことが、最も重要だと考えています。
売出価格の決め方と販売戦略について
今回、売主様に売出価格をご提案する際、「もし自分が買主の立場だったら、この物件をいくらで購入したいか?」という視点を取り入れました。
不動産の売却では、売主様の希望価格を尊重することも大切ですが、市場の実情を踏まえた適正価格を設定する ことが重要です。そのため、売主様自身が買主目線で価格を考えることで、より納得感のある価格設定が可能になります。
また、室内を大幅にリフォームしている物件では、その リフォーム内容を適切にアピールすること が重要です。しかし、会社によっては、こうしたポイントを十分に広告に反映せず、物件情報を掲載するだけで終わってしまうケースもあります。
適切な販売戦略を取ることで、より多くの買主に物件の魅力を伝えることができ、スムーズな売却につながります。
価格設定の重要なポイント
現在の不動産市場では、インターネット検索が主流 となっています。そのため、売出価格を設定する際には、検索機能の仕組みを理解し、より多くの買主に物件情報を届ける工夫 が必要です。
例えば、多くのポータルサイトでは、「5,000万円以下」などの価格フィルター を設定して検索するユーザーが多いです。そのため、5,510万円よりも、4,990万円に設定したほうが検索結果に引っかかりやすくなる というメリットがあります。
一見すると小さな差ですが、こうした細かい調整の積み重ねが、販売戦略の成功につながります。
ターゲットに合わせた広告戦略
物件の売却では、どの層に向けてアピールするか も非常に重要です。
✔ ファミリー層向けの物件 → 近隣の学校や公園、買い物環境などの生活利便性をアピール
✔ シニア層向けの物件 → バリアフリー設備や静かな住環境、エレベーターの有無などを強調
このように、物件ごとにターゲット層を明確にし、適切な広告文を作成することで、より効果的に買主へアプローチできます。
不動産売却の成功には「差別化」がカギ
不動産は 「同じ物件が一つもないオンリーワンの商品」 です。そのため、いかに他の物件と差別化できるか が売却成功のカギを握ります。
しかし、こうした戦略を 売主様ご自身が考えるのは難しい ものです。だからこそ、私たちのような 不動産売却専門の仲介会社 が間に入り、売主様にとって最適な販売戦略をコンサルティングすることが重要になります。
ご依頼いただければ、私たちは 全力で売却活動に取り組み、物件の魅力を最大限に引き出す販売戦略を実施 いたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。