睦月の献立|毎年1月に作る定番から新作まで、常に進化する気持ちで
松の内を過ぎ、年末年始ですこしゆっくりとしていた乃木坂にも東京らしい時間が戻ってきました。暦のうえでは大寒(1月20日)が過ぎ、春はもう目の前です。
とはいえ実際は、朝夕は寒え込む日々が続いていて、朝起きるのも辛い時期ですよね。寒さに負けずに、気持ちだけでも春を感じながら、前向きに過ごしていきたいものです。
乃木坂しんでは1月6日の新年初めての営業から睦月(むつき)の献立をご用意してみなさまをお待ちしております。冬の食材のなかにも春を感じさせるようなお料理をお楽しみくださいませ。
睦月の献立
先附|あん肝の茶碗蒸し
寒い時期に温かいお料理でお出迎えをしたい。そんな思いで1品目は茶碗蒸しを用意しました。茶碗蒸しにあん肝は、乃木坂しんで初めての試みになります。
具材が入っていないシンプルな茶碗蒸しの上に、蒸し煮にして裏ごしてから松の形にくり抜いたあん肝をのせ、上から本味醂をベースにした甘いあんをかけています。さらに、アクセントにワサビをのせました。
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前菜|鰤シャブ
白菜 水菜 長葱 胡麻ダレ
乃木坂しんでは、毎月献立を変えてますが、6年目にもなると、毎年同じ月に必ず作るお料理も何品かでてきました。この鰤シャブの仕立ても、そんなお料理の一つです。
昨年1月の献立と同様に、ダイス状厚切りにした鰤をさっとしゃぶしゃぶにして、中を半生にし、ポン酢風味の胡麻ダレで召し上がっていただきます。
自家製の胡麻ダレは、稀少な国産、鹿児島県喜界島産の「寿のねりごま」を使用。香りももちろんあるのですが、自然な旨味やコクが強くて、これまで食べていたものとはまったく違うな、と感じていただけると思います。
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椀物|雉椀
雉丸 金時人参と大根の紅白梅、うぐいす菜
愛媛県鬼北町の「鬼北きじ工房」さんの雉を使った雉椀も毎年1月に必ず作るお料理です。
雉は、家畜化された鶏とは異なり1年中卵を産むことはできません。雉の産卵期は4月から6月。鬼北きじ工房では、ふ化から200日以上かけてじっくり育てていくため、フレッシュでの出荷が11月から1月までになっています(それ以外の時期は冷凍品が流通します)。そのため乃木坂しんでは、年に数カ月程度フレッシュで流通する時期を雉の「旬」ととらえてお出しているのです。
胸肉は炭火で炙り、モモ肉はつみれにし、ガラでとった出汁と昆布と鰹節でとった一番出汁を合わせたものを使い椀物に仕立てています。
雉肉の身質のきめ細やかさと、雉から出たお出汁の濃さ。雉のおいしさがすべてつまった椀物に仕立てております。
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凌ぎ|唐墨餅
自家製の唐墨を焼いたお餅ではさんだひと皿です。焼いた餅の香りと、唐墨のできたてのアツアツを手でつまんでお召し上がりください。
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造り|もみ河豚 アオリイカと焼き白子
柚子をくりぬいて器に見立てた「柚子釜」に盛り込んだのは塩もみにした河豚と包丁目を入れたアオリイカ、その上に焼いた河豚の白子、刻んだ葱をのせています。あたたかい焼き白子を開いて、河豚や白子と合わせて食べてみてください。
河豚とアオリイカ、焼き白子の組み合わせは、昨年もやっていますが、仕立てを変えてお出しをしています。
なお、河豚とアオリイカの下には、ホウレン草のお浸しが敷いてあります。これと白子の相性がとても良く、ホウレン草のホワイトグラタンのような味わいになります。1品での味の変化を存分にお楽しみください。
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炙り|生鮪と炙り盛り合わせ
長芋ポン酢、山ウニ
乃木坂しんでは珍しい(2021年には使っていない)、鮪を使った一皿です。そのままの生の中トロ2枚と炙った中トロ1枚に、岩手県の大久保農園さんの長芋をたっぷりかけ、福井県の伝統辛み調味料の「山ウニ」を添えた山かけ仕立てにいたしました。
大久保農園さんの長芋は、昨年3月から気に入って使わせてもらっていました。今年もシーズンになりましたので、いろいろとお世話になると思います。
お寿司屋さんでは花形の鮪ですが、料理屋としてはお寿司屋さんとは違った料理にしたいと思うこともあって、あくまで「鮪の山かけ」として味わっていただきたいと思っています。
強肴|松葉蟹の天婦羅と海老芋 蟹味噌ダレ
11月からお出ししてきた松葉蟹を今月もご用意しました。2カ月間は焼き蟹にしてきましたが、今月は蟹味噌ダレをつけて食べる天婦羅にしております。
あわせている海老芋は、昆布と鰹節の二番出汁で炊いてから揚げています。
蟹の天婦羅は、焼き蟹とは違い、水分を中に閉じ込めながら蒸し焼きにする調理法ですので、松葉蟹の旨味や香りが衣の中にしっかりと閉じ込めることができます。
サクサクの衣を破ってかみしめた瞬間にあふれ出る松葉蟹の旨味と香りを存分に味わってください。
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八寸|鰆の漬け 黒豆 伊達巻
金柑蜜煮 たたき牛蒡
菜の花昆布〆 紅白なます
「乃木坂しんの味をいろいろ楽しんでほしい」というのが私たちの八寸の考え方です。そのため、少しずつ盛り付けたお料理を食べながら、お酒が好きな方でしたら、お酒をもう1杯飲んでいただけるような内容を目指しています。
さらに今月は、1月ということもあって縁起のよいお料理を集めてあります。なかでも「伊達巻」は自家製で用意させてもらいました。魚の白身と玉子だけで作ったもので、滋味深い味わいに出来上がっていると思います。
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煮物|甘鯛の蕪蒸し べっ甲あん 山葵
甘鯛をすりおろした聖護院蕪で包んだものを蒸しあげ、昆布と鰹節でとったお出汁であんを作ってまわしかけています。
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食事|炊き立て白米 鯛の滋味造り
または そば米雑炊、または 松葉蟹の玉子とじ
乃木坂しんでは、2022年からお食事を3つのお料理のなかから何品でも選べるようになりました。
①と②については通年のご案内で、③は月ごとに玉子でとじる食材がかわります。
①はこれまでも乃木坂しんでお出ししてきた鯛を出汁醤油に漬けた滋味造りをお付けします。②は、料理長の石田伸二の故郷・徳島県の郷土料理で、鶏でとったお出汁でいただく素朴な料理になっています。
月替わりの③は、今月は松葉蟹を玉子とじです。ふんわりトロリの玉子とじはやみつきになりそうです。
3種類のお食事のなかから1種類を選んでいただいてもいいですし、2種類や3種類を少しずつお出しすることもできます。お客様のお腹の具合を見ながらご自由にお決めいくださいませ。
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菓子|柑橘ゼリー
日本料理店では、西洋料理に比べてデザートの数が少ない印象をもっている方がいらしゃるかもしれませんが、乃木坂しんでは、いわゆるフランス料理のプレデセール、グランデセールのように2種類のデザートをお出ししています。
睦月の献立では、まず愛媛県のブランド柑橘「紅まどんな」のゼリーをお楽しみいただきます。
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菓子|イチゴの葛焼き 練乳アイス
デザートの2品めは、イチゴの葛焼きと練乳のアイスクリームをご一緒に。
固めに練って一度冷やし固めたイチゴの葛練りを焼き立てでご用意しました。温かい葛練りの独特の食感は、出来たてならでは。料理屋でしかお出しできないデザートといえます。
冷たい練乳アイスクリームとともに、温度もお楽しみくださいませ。
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乃木坂しんの睦月の献立はいかがでしたでしょうか?
睦月の献立に合わせるペアリングについては、支配人の飛田泰秀がYouTube「乃木坂しんチャンネル」で解説もしています。こちらも併せてご覧いただくと、さらに乃木坂しんでの食事のイメージが膨らむと思いますよ!
1月いっぱいは今回ご紹介した睦月の献立をご用意してお待ちしております。新しい年の最初の外食やお食事会などでご利用くだされば幸いです。
乃木坂しん
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乃木坂しん(店舗公式)、石田伸二、飛田泰秀
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構成・文・撮影=江六前一郎