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『関心領域』A24やっぱりタイプじゃない、でも傑作

『関心領域』観てきた。
結論から言うと、傑作だが私のタイプではなかった。

複数の映画賞を取ったA24の新作。
私自身、A24の作品は
『ミッドサマー』
『レディ・バード』
『Mid90s』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
『BEEF』
『after sun』
『トーク・トゥ・ミー』
くらいしか観たことがない。
7作しか観ていないが、A24の傾向はなんとなくわかっていたし、自分の好みではないこともわかっていた。

A24は、感情をぶん殴ってくるダイレクトな表現が魅力だと思う。
衝撃や鑑賞後の放心感は他じゃ得られない。

一方私は、割と現実に則した緻密なストーリーが好きだ。
A24の魅力は十分に理解できるものの、好みかと言われるとそうではない。

『関心領域』も、視覚と聴覚からひっきりなしに「不快」が流れ込んでくる。
いや、本当にすごい体験だった。
叫び声と銃声、そこから連想される収容所内の風景。
上映中感じるもの全てが苦しくて、その場にいたくなくて、何度席を立とうと思ったかわからない。
特にエンドロールは酷かった。
機械音にも聞こえるが、よく聞くと無数の叫び声が聞こえる。
あんなの拷問に近い。
人の声だと思って聞いていると気がおかしくなりそうだから、無心になるのに必死だった。

人生で1番心を抉られた作品だったと思う。
作品の狙いとしては満点なのだろう。

こんなに熱弁しているが、『関心領域』はもう2度とみたくないし、やっぱりA24は私のタイプではない。

でもなぜか、また新作が出たら観に行ってしまいそうな気もする…不思議。

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