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人間は、自分の意味づけを裏付ける証拠を探す

以前に「人間は意味を作る機械である」という記事を書きました。

今日はそこに追加をします。

それは、「人間は意味づけをした後に、それを裏付ける証拠を探し続ける」。

例えば、学校の勉強が苦手で、親に「お前は本当に人間のクズだ」と言われて育ってきた人。
その言葉で、 (私って存在価値がない人間なんだ) という意味づけをしたとします。

そうすると、その人がよくしがちな事は、「自分が存在価値のない人間である」事の証拠探しです。

「意識的に探す」というより、「無意識に自分の周りに起こった事の中で、証拠になりそうな事に偏って目を向け、それを証拠として解釈する」という事です。

例えば、

  • 友達だと思っていた人が、その人の誕生会に自分を誘ってくれなかった。

  • 職場のボスから、業務縮小するから勤務時間減らせるか、と打診された。

  • 親が入院したのでお見舞いに行ったら、「来なくて良かったのに」と言われた。

こんな事があると、(やっぱり私は存在価値がないんだ)と意味付け強化。

挙げ句の果ては

  • 終電に乗り遅れる

  • お出かけ予定の日に雨が降る

  • お気に入りの服にケチャップがついた

とか、何かがっかりする事があると、
(やっぱり、私なんかに幸運の神様も微笑んでくれないよな)
と更に意味付け強化。

ただ、これはある意味、人間一般に起こる現象として知られています。

「認知バイアス」という言葉を聞いた事があるかもしれません。
「認知バイアス」とは、人間誰にでも起こりうる思い込みや、偏った考え方のことを指します。

「認知バイアス」にはいくつかのタイプのバイアスが知られているのですが、その中に「確証バイアス」というものがあります。
これがまさに「意味づけを裏付ける証拠となる情報ばかりに注目し、そうでないものを無視してしまう」というバイアス(偏った見方)です。

周りに、そんな人いませんか。
または、(自分はそんな事ないなあ)と思っていても、もしかすると知らずのうちに
このパターンに落ち入っているかもしれません。

もしもあなたがこのパターンを変えたいと思っているなら、朗報があります。

まず第一に、もしもあなたが、ネガティヴな意味づけと、それを確信する様な証拠探しのパターンに陥っているとしても、あなたが「壊れている」訳でも、「異常である」訳でもないという事。

もう一つの朗報は、あなたはこのパターンを変える事ができる、という事。

そのための第一歩は、まず自分がこのパターンを繰り返している事に「気がつく」事が必要です。
現状に気づいていなければ、そこから変化を起こす事はできません。

将来、(なんか嫌な気分だなあ)、(悲しいなあ)、(腹が立つなあ)とか感じた時、そこでちょっと止まって、まず、そういうことを感じている自分に気がついてみて下さい。

気がついたら、自分の中にある、そういった感情を持っているパートに注意を向け、(このパートは何に反応しているのかな)と心の底から興味を持って、感じてみて下さい。

そのパートが心配している事に、耳を傾けて下さい。
あなたが幼い頃に作った意味づけが関係しているかもしれません。

このパートは、小さい頃のあなたがそうであった様に
(そして今でもそうである様に)
「自分の話を聞いて欲しい」「わかって欲しい」と思っています。
そうしてあげて下さい。そして「わかったよ」と伝えてあげて下さい。

取り敢えず、今日はここまでで大丈夫。
こんな事を毎日繰り返していると、だんだん自分自身についての理解が深まるのを感じられると思います。

この次のステップとして、私がカウンセリングで行う方法は、将来、記事として書こうと思います。
今回、以上に書いた段階に至るだけでも、かなりあなたの気持ちとしては変化しているのではないでしょうか。

現時点で、もう一つ意識して始めるとしたら
「自分の意味づけに反する証拠を探す」

例えばこの例なら、自分が目を向けていなかった
「自分の存在価値がある」事の証拠は何か。

  • 誰かが「あなたがいてくれて助かった」と言ってくれた。

  • 知らない人に笑顔を向けたら、笑顔を返してくれた。

  • ペットの犬が、あなたが帰宅すると尻尾を振って走ってくる。

注意を向けて見れば、色々あるはずです。

最後に

私達が無意識のうちに学んできた色々なパターンは、意識する事で変えられます。
この先、更にその様なメンタルウェルビーングに関する記事をアップしていこうと思います。








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総合診療科医のだのり@ニュージーランド
「親も育つ子育て」を広めるために、私の持っている知識、経験、資料をできるだけ無料で皆さんに届けたいと思っています。金銭的サポートが可能な方で、私の活動を応援していただける方は、サポートをしていただけると嬉しいです。