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ニュージーランドのジェネラルプラクティショナー(医者)と小学校の先生は似ていると思う

ニュージーランドでジェネラルプラクティショナー 総合診療科医をしています。

メンタルヘルスに興味があり、その関係で教育に非常に興味があります。

そんな私が日頃常々思うのは、ジェネラルプラクティショナーと小学校の先生は共通点が多いこと。

まずジェネラルプラクティショナーが何かをご存知ない方が多いと思うので、それを簡単に説明します。
私の住むニュージーランドでは、医者にかかりたい人がどのような問題であっても最初に行く「プライマリーケア」と、そこで解決できない問題を持った人や、さらに検査や治療が必要な人が紹介して送られる「セカンダリーケア」が分かれています。

ジェネラルプラクティショナーは「プライマリーケアの担い手」で、どの科の疾患も診られる総合診療科医です。

ではジェネラルプラクティショナー(医師)と小学校の先生が似ていると思う点を挙げてみます。

1.人々の全人的な成長をサポートできる立場にある。
私は日本では外科医だったので、その経験から分かるのですが
狭い専門分野で、特に病院に勤務している医者には
全人的な事や家族のことに関与するという考えは余りありません。

でもジェネラルプラクティショナーは、仕事や家族の話を診療の一部としてする事は日常茶飯事です。

ジェネラルプラクティショナーも小学校の先生も、普通の知り合いとかでは踏み込まないような、プライベートなレベルでの話しができる可能性があるポジションです。

もちろん生徒や患者さんが望めばですが、そういう人達をサポートをしようという情熱に溢れている医者や先生が多い様に思います。

2.重要な仕事の割に、社会からの扱いが悪いし収入が少ない
先生方は、生徒がどの様な人間になるかに関わるという重要な役割をしています。
ジェネラルプラクティショナーは、人々の全人的な健康管理に影響を与えられる役割ですし、何か上手くいかないことがあれば、大きな責任を担わされることになります。

それなのに、その責任に見合った収入や社会からの承認に欠ける様に思います。
勤務時間外にも仕事をするので、結局時給を考えるとかなり低くなります。
私が知る限りでは小学校の先生も同じです。

だから燃え尽きる人も多いです。

仕事内容と収入の釣り合いを考え、若い人達は別の職業を選びがちで、
特にジェネラルプラクティショナーはいつも不足しています。


IT も必要だし、物を作ったり売ったりする仕事も大切です。

でも人間が、その人のベストになるために必要な教育を行う人(先生)、やジェネラルプラクティショナーの様に全人的な包括的な医療をして、人間をサポートをする医療従事者は、もっと根本的なところで本当に重要だと思うのです。

政府がそういう事に気がついて、政策や予算を変えていってくれたらなあと思うのだけれど、変わらないのはなぜなのかなあ。

全て私の思い込みなのだろうか…


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