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10万字の旅を終えて

 noteをはじめてから小説を書くようになりました。
 はじめは2千字から3千字ほどのショートショートをいくつか書いて、その後に2万字くらいの短編を2つ。そしての昨年12月から長編小説に取りかかり、今月、その長編小説を書き終えることができました。
 正確な文字数は数えていないのですが、1話あたり約8千字から1万字で全13話なので、だいたい10万字くらいだと思います。 

 この記事では初めての長編小説を書き終えた感想などを中心に、自身の執筆の過程を振り返ってみたいと思います。
 これから長編小説を書いてみたい方、またはすでに書いたことがある方に対して、僭越ながら私自身の経験をお伝えできればと思います。



1 長編小説を書こうと思った経緯


 ショートショートや短編小説を書いたときには、最初に書きたい内容と文字数を決めてから書きました。無理のない目標=ゴールを決めてから走り出した感じです。それで2万字の短編を書いたときに、「あ、書き足りない」って思ったんです。ストーリーを広げたり、登場人物を深掘りするにはもっと文字数が必要。そう思ったので、次は長編小説を書こうと決めました。
 じゃあ何を書こうかということになりまして、その時点では2案。一つは長編小説のネタとして考えてたバスケットボールのお話。もう一つはこれまで書いたことのないジャンルのもの。結果としては後者に決め、宇宙を舞台としたSFを書くことにしました。もともと宇宙を舞台にしたSFアニメが好きなので、好きな世界観の中で人を動かしたいと思ったんです。構想もすぐに思いついたので、割とすんなりと書き始めることができました。


2 執筆方法について 


 私は素人の書き手なので、『小説の書き方』みたいなことではなく、ここでは私はこんな感じで書きました的な内容となります。 
 
 まず執筆期間についてですが、特に制限は設けませんでした。ただ、途中で挫折しないように連載形式にして、1か月に1話は必ず書くことを目標にしました。第一話を書いてみたら1万字くらいだったので、1年で12話、文字数は10万字くらいかな、と。この時点でおおよそのボリュームは決まった感じです。
 スタート時点でキチッとしたプロットは書かず、物語のメインの流れ、中盤の出来事、ラストの展開という3点をメモして、あとはメインキャラクターの設定を決めて書き始めました。
 具体的に言うと、『トラック運転手と謎の少女が共にに宇宙を旅しながら事件や人と遭遇し、地球に降りて少女の謎が明らかになった後、宇宙に戻り旅が終わる』。そんなあらすじ。あとは最初に出てくるメインキャラの4人の外観、性格、裏設定などを決めました。
 実際に書き始めると、舞台設定や人物設定など、細かく決めなくてはいけないことがたくさんありましたが、それは走りながら決めていった感じです。


3 書くために役立ったもの(こと)


 これも長編小説を書き上げるにあたって私自身にとって役にたったものです。

 まず1つ目は、『作品を読んでくれる人』です。
 私の場合は高校時代からの友人にお願いして読んでもらってました。芸術的な素養もあって、作品に対しても的確な批評ができ、私に対しても忌憚のない意見をしてくれる人。彼に第一の読者になってもらいました。細かい指摘というよりは、作品の流れに矛盾がないか、分かりにくい表現がないかといった基本的な部分と物語への素直な感想をLINEでやり取りしました。
 小説は基本、一人で書くものだと思っていますが、書く以上は読んでもらわないことには意味がない。こちらからお願いしていたとはいえ、友人に読んでもらえる、読者が一人でもいるということが、書くことへのモチベーションに繋がりました。 
 また、フォローしていただいている方にも読んでいただきました。とても嬉しかったし、励みになりました。この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

 2つ目は、『1か月に1話を書くという締め切り』を設けたこと。
 長編を短期間で集中して書くという執筆方法もあると思いますが、私はどちらかというとコツコツと時間をかけて書くタイプなので、考える時間も含めれば、1か月に1話(約1万字)のペースがちょうど良かったです。息切れしないペース配分と、締め切りという短期的目標の設定は、一人で書く私には必要不可欠だったと思います。

 3つ目としては『一つの作品だけに集中しすぎなかった』こと。この作品の連載中は、普段から書いている個人ブログ、あとは後発で書き始めた別の長編小説、気晴らしで書いたショートショートなど、いろんな文章を書きました。 
 特に千文字程度のショートショートは、言葉の使い方、物語の構成、セリフの使い方などで非常に勉強になることが多かったです。短編には短編の良さがあると改めて認識できました。



4 長編小説を書き終えた感想


 長編小説を書いてみて、私自身はとても良かったと思っています。それは作品の出来が良かったとか、誰かに褒めてもらったとかではなく、単に自分にも長編小説が書けるということが分かったからです。
 noteを始める前は小説を書いたこともなかった私が、一つの長編小説を書ききることができた。この事実だけで嬉しい。私はマラソンもするのですが、はじめてフルマラソンを走りきった感覚に似ているような気がしました。圧倒的な充実感。宇宙を旅するストーリーだったので、書き終えたときは、本当に長旅を終えたような、そんな感覚にもなりました。

 長編小説を書いてみたもう一つの感想として、誰でも長編小説を書けるわけではないんだろうな、ということも感じました。そもそも書くことが好きじゃない、書くことがない、書く必要が無い人には長編小説は書けない。走るのが嫌いな人がフルマラソンは走りきれないと同じように。
 ただ、走るのが好きな人でも得意な距離、不得意な距離があります。物語を書くにも短編が得意な人、長編に向いている人がいるんだと思います。私自身、得手不得手は分かりませんが、長編を書くことは好きだなと思いました。



5 最後に


 長編小説はストーリーの展開や人間関係など、短編とは違った深みが出せるものだと思います。だからと言って短編やショートショートが長編に劣るなんてことはない。どんな物語にも適した文字数があって、それは書き出す前からすでに決まっているようにも感じています。

 たぶん、私はこれからも長編小説を書き続けると思います。これから長編小説書こうとしている方は、まず書き出して、そして最後まで書ききってみることを強くオススメします。そこに新たな発見や楽しみがきっと見つかると思います。
 また、すでに小説を書いている方々を私は心から尊敬いたします。プロではない個人の書いた小説は多くの人に読まれることはないかもしれませんが、その物語は必ず誰かの心に届いていると思います。
 私自身もそう信じて、これからも自分なりのペースで物語を書きたいと思います。


※作品は、小説用のアカウントで執筆しました。


おわり


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以下、NOCK名義の作品紹介です。

【連載中】長編。年末に完結予定です。


【完結済】短編です。サクッと読めます。


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NOCK│ノック
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