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新解さん
当初の目的は新明解の「国語辞典」と「漢和辞典」を買うことにありました。
先日帰国した際に、巣鴨駅前の書店に入ると、レジ近くの辞書売り場に白版と赤版の新明解が並んでいて、紅白とはこれまためでたきかなと両方手に取ってレジ方向に一歩踏み出し、いやまてよと表紙をジロジロ見たらなんとまあどちらも「国語辞典」だったので、あやうく同じもの二冊買わされるところだった、こういうの引っかかる人いるよねーといまいちど棚を眺めまわしたら、少し離れた下の段に青版の新明解を見つけたわけです。めでたしめでたし。
数日後。
メルボルンに戻って、持ち帰った辞書をパラパラとスポーツ新聞みたいな雰囲気で眺めていて気づいたんですが、なんと、青版も「国語辞典」だったんですね。
新明解国語辞典は赤青白のトリコロールで発売されていた。
本屋さんはユニクロではないので、「同じものを二つお買い上げですがよろしいのですね」と確認しないですよね、そうですよね。
「辞書」が良いのはどんな言葉を調べようとも、そこに足跡が残らないことだと思います。言葉が踏み荒らされないでいられるような気がする。ネットの住人にはなれなくても辞書の中なら住めそうな気がする。
先日友人にスマホを貸したら、直前に自分が調べた「ナマケモノ 勤勉」「ナマケモノ 笑う」なんて出てきちゃって、なんてこった、こうやって「履歴」というものは線路の枕木みたいに自分の前と後ろにどこまでも続くのだと思って、途方に暮れました。これからは何か壮大で荘厳なことを調べよう。
漢和辞典はといえば。
新明解の漢和辞典は「緑版」だということが分かったんだけど、「緑を買ってもまた国語辞典だったりしてアハハ」と独り言の冗談みたいに想像したら、『世にも奇妙な物語』風に、その想像が恐ろし気な響きを持ち始めて頭から離れず、結局、別の出版社の「漢語林」を買いました。
消費者行動って謎ですね。