故郷への距離感が変わった【写真40枚】
少し時間が経ってしまったけれどGWに久々に故郷である北海道へと帰った。例のアレが流行してから帰るに帰ることができず、3年ぶりとなる帰郷となった。
上京して10年。ここまで故郷に帰りたくなったことはなかったかもしれない。あそこに行きたい、あれを食べたい、そんな欲よりも空気を吸いたい、学生時代を過ごしたあの場所を見たい、そんな気持ちが溢れていた。
育った場所こそ札幌だが、生まれは岩内町という港町
鉄道は通っておらず札幌からは2時間半ほどバスに揺られ到着する。時間にすると長いが、道中では車窓から札幌市内や小樽市、余市町の景色も楽しめるのでさほど苦ではなかった。
日頃東京で窮屈な生活を送っていると岩内ではまるで時が止まったかのように、ゆっくりと時間が流れ街の音も聞こえてくる。
岩内町ではかつではニシン漁が盛んであったが、現在ではたらこ、イカ、マス漁でにぎわっている。帰省時はいつも札幌ではなく、ここ岩内で寿司を食べるのがマイルール。
幼少期を過ごしていただけなのでそこまで強い思い入れがあるわけではないが、漠然と見ていた景色、薫っていた匂いは当然だが、懐かしさを感じさせてくれた。実家の安心感とはまた違った感覚で心を満たし再び札幌へと向かう。
今回は4泊5日という会社員にしては長い期間をかけて帰ったわけだが、目的は基本的に私用。挨拶周りや用事がほとんどのため、じっくり写真を撮りながら観光をするということはできなかった。
目的地への移動時間や隙間時間での撮影がほとんどのため練られた写真こそ撮ることはできないが、むしろこのスタイルのほうが生活感、暮らしを切り取りやすいので久々の帰省としてはこのほうが良かったのかもしれない。
これが札幌のガッカリ名所でもある時計台。地元民からするとなぜ観光名所になっているのか、あんなにも夢中に写真を撮っているのかよくわからないスポットでもある。
そういえばGWの北海道は桜が見頃の時期でもある。東京で一度春を堪能していると春を感じているというよりも遅咲きの桜が咲いているくらいにしか感じられなかった。
季節感というのは暮らしと共に育まれていくものだと再認識した。
札幌市内では市電と呼ばれる路面電車が走っている。
札幌中心部から西側エリアまで環状運転しており、市電の車窓からは景色だけではなく、市民の暮らしも垣間見えることができる。2013年以降、新型の低床車両が登場してから旧型の車両がグッと減ってしまった。1961年から運行していたM101号車も昨年引退してしまい、今はこの240形でしか思い出を辿れなくなってしまった。
二条市場では急に観光客のような振る舞い。住んでいる頃は行く機会もなかったのでここまでじっくり見たのは初めてかもしれない。
学生時代に見ていた印象的に残っているものや場所を記憶を辿りながら写真に収めていく。この注意書きも実は猿蟹合戦をモチーフにしていたのだと今更になって気が付いた。
テレビ塔に登ったのも何十年ぶりだろう。
俯瞰して見る札幌の景色からはあまり懐かしさを感じることはできず、むしろ新鮮味のほうが強かったかもしれない。というのも市内の練り歩いている最中に所々街の進化を感じていた。市電の変化もそうだが、特にさっぽろ駅周辺では見たかった景色が無くなり、新たな景色になっている箇所は所々にあった。いつまでも時は止まっていないのだと現実を突きつけられ、受け止めようとすると育った懐かしい街ではなく、新たな街という印象になった。
寂しさを否定することはできないが、これからは懐かしむだけではなく、変化を楽しむ帰省にしていかないといつまでも過去に自分に囚われてしまいそうだ。
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