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「食」についての考察

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#食と都市

"食”を食べる場の未来

"食”を食べる場の未来

■動物化する食の場 「食べる」という行為は、多くの動物にとって生命維持に欠かせない基本的な行為である。もちろん人間にとっても例外では無く、基本的には食事を取らなければ生命を維持することができない。しかし動物にとっての食事と人間にとっての食事の意味合いは、全く異なっている。人間にとってのみ食事はコミュニケーションのツールとして大きな意味を持っているからだ。

 これは他の多くの動物にとっては危険な行

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"食”を作る場の未来

"食”を作る場の未来

■食を作る場に変化の兆し食を議論に上げる際に切り離せない関係にあるのが料理だろう。現代社会では日常の料理もしくは調理はキッチンで行うことがほとんどだ。

料理を行う場は狩猟・採集が中心の旧石器時代に火を使うことを覚え、人類が食を調理する術を確保してから物理的に変化を遂げてきた。現在の姿で言うと明治以降の西欧化に伴い、日本家屋に代表される窯を中心とする土間空間がシステムキッチンに変化した。

その後

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"食”の売り場の未来

"食”の売り場の未来

都市空間と売り場の関係

食について考えるときに作る場所、食べる場所の他にも『売る場所』という視点から考える事ができる。これまで、「食を売る」という行為は、都市空間と大きな関係を持ってきた。

東京は鉄道によって発展したが、戦後、池袋、渋谷、新橋、神田、上野など、都心近くの主要駅周辺に闇市は開かれ、やがて郊外の駅前、道路沿いにも出現した。現在も闇市の名残は商店街などへ姿を変えて残っている。チェーン

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“食“のお話

“食“のお話

今回のCOVID-19の自粛期間により在宅の時間が増えたことで食事と向き合う時間が増えた人も多いだろう。当たり前のように日常に存在していて、我々の生活に欠かすことのできない食を第一回目のテーマに議論しようと思う。

全4記事にわたって食に関する話を公開する。今回は1記事目として前提知識を共有すべく、食の概要についてまとめた。

■食の歴史

動物と同様に人類の祖先が食べ物を探すために歩きながら暮ら

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