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ストーリー12 自分を取り戻した預言者エリヤ

旧約聖書に出てくるエリヤという人がいます。異教の神であるバアルの予言者たちと、真の神を示すための戦いを繰り広げた人物です。劇的な勝利の後、急激に恐怖に襲われました。当時の王妃イゼベルが逆恨みして、エリヤを殺そうとしているということを聞いたからです。

いつものエリヤであれば、神の語りかけを聞き、力を得て歩んだことでしょう。戦いに勝利したのですから、神の導きを確信し、力強く歩めるのでは、と思うところです。しかし、エリヤは絶望の荒野へ進んでいきました。神のことばを求めることもせず、ただ自分のいのちを取ってほしいと神に願いました。恐れのあまり、もう十分だと思ったのです。

木陰を見つけて横になり、うとうとしたエリヤのところに、神の御使いが現れます。

「起きて、食べなさい」
彼の枕元にはパンと水が置かれていました。エリヤは食べ、飲み、また横になります。もう一度御使いが戻ってきて、パンと水を与えます。エリヤはそれに力を得て、神の語りかけを聞くためにホレブ山に向かいます。

「ここで何をしているのか」
神の問いに、エリヤは答えます。自分が熱心に神に仕えてきたこと、大きな成功を収めたこと、しかしそれゆえに命を狙われていること。それに対する神のさらなる語りかけを期待しました。ところが、神は沈黙を守られます。
目を見張るような光景が繰り広げられますが、神の声を聞くことはできませんでした。激しい大風が岩を砕きます。大地震が起こり、地が揺らぎます。火があたり一帯を焼き尽くします。それでも、神の声はありませんでした。
耳をすますと、かすかな細い声が聞こえます。その声を追い求めるようにして、エリヤは外に出ます。

「ここで何をしているのか」
ここでようやく、エリヤと神の対話が再び回復します。次にすべきことがはっきり示されました。エリヤはやっと力を得て、回復の道を歩み出しました。

パンも水も与えられました。不思議な大いなる光景も示されました。しかし、それ以上にエリヤが必要としていたのは、神との対話だったのです。

ほめられると調子に乗って、伸びるタイプです。サポートいただけたら、泣いて喜びます。もっともっとノートを書きます。