おわりに
サーバントの旅はまだまだ続く
この本の大部分は、教会のホールの道路に面したテーブルに陣取って書きました。区役所に向かう人たちが道を急いでいます。信号待ちの車の列が伸びています。園児たちがお散歩の途中で手を振ります。普通に街で生きているこの人たちにサーバントの生き方を伝えたいと願いながら、最後まで書き上げました。
サーバントの考え方を理解できましたか?
共感した点はどんなことでしたか?
受け入れられないと思った点はどんなことでしたか?
疑問に感じた点はどんなことでしたか?
「サーバントについては、もうこの程度理解したら十分だ」と考えるでしょうか?
「もう少し知りたい」と思われますか?
「もっと実践できるようになりたい」と願うでしょうか?
サーバントの生き方、考え方を知るのは、サーバントになるための最初の一歩でしかありません。本物のサーバントになるためには、その生き方と考え方を繰り返し学ぶことが必要です。また、励まし合い、助け合いながら、サーバントとしての歩みをともにする仲間も必要です。
ここまでずいぶん長い旅に付き合ってもらった気がしますが、サーバントの旅はまだまだ続いていきます。
あなたのサーバントとして
これからも継続的にブログでの情報発信や、 ポッドキャストでの番組公開などを続けていきます。サーバントが大切にする考え方、実際的なノウハウ、サーバントたちのストーリーなどをお届けします。サーバントの旅のお供に、読んで、聞いて、理解を深め、実践の助けにしてください。
キリスト教の教会には、サーバントの生き方を理解し、応援してくれる牧師たちがいます。日曜日には礼拝が行われていて、聖書のお話を聞くことができます。ぜひ近くの教会を訪ねてみてください。
より具体的な助けを必要としている方には、コーチングを提供することが可能です。あなたが置かれている状況について問いかけ、お話を聞かせてもらいながら、これからの歩みを見つけるためのお手伝いをします。迷いがあったり、混乱していたり、励ましを必要としていたら、気軽に声をかけてください。
大きな岩であればあるほど
大学の教授が、珍しく大きな声で熱心に語っていました。
「岩というのは、大きければ大きいほど、簡単には動かないものだ。
でも、動き始めて、山の斜面を転がり始めたら、もう何もそれを止めるものはない。
君たちには、動かない岩を動かす取り組みをしてほしい。
そういう大きなことにチャレンジしてほしい」
私にとっての動かない岩は、サーバントの生き方を広めることです。誰にとってもすばらしい人生をもたらすと確信していますが、この生き方がかんたんに広まるとは思えないでいます。
それでも、サーバントとして生きることの魅力を語ります。しつこいぐらい、バカの一つ覚えのように語り続けるつもりです。
やがてサーバントの岩が動いて斜面を転がり始め、誰もそれをとどめることができなくなる、そういう日が来ることを夢見ています。
33番めはあなたのストーリー
この本では、生きがいと喜びを見つけた32人のストーリーを紹介しました。その人その人が体験した、ユニークなストーリーでした。
次のストーリーは、あなたの番です。サーバントの旅の向こうには、どんなストーリーが待っているでしょう。33番目のストーリーをぜひ聞かせてください。楽しみにしています。
少々しつこいのですが、中澤信幸のブログとポッドキャストをご案内します。今度は、こっちで会いましょう。
ブログ「きょうもいい人」http://nobu.bokushi.jp/
ポッドキャスト「働くみんなの朝の番組『あさのば』」http://nobu.bokushi.jp/asanoba
読者への特典として、サーバントが大切にする10の考え方を、一枚の紙にまとめた資料を作りました。手帳にはさんだり、机の前に貼ったり、トイレで眺めたり、自由に活用してください。ダウンロードの案内は最後のページにあります。
いよいよ、本の終わりが近づいて来ました。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
許されるならば、この先もあなたとサーバントの旅をごいっしょしたいと願っています。桃太郎にお供したサーバントのように、シンデレラの幸せを実現したサーバントのように。私をあなたのそばにおいて、サーバントとして役立ててください。
最後の最後になりましたが、この本は多くの方々の応援によって実現しました。声をかけてくれたり、的確な意見を寄せてくれたり、期待して待っていてくれたサポーターの方々、ありがとうございました。
サーバントの生き方を教えてくれた教会の方々、仲間の牧師たちにも感謝しています。
みなさんの支えと励ましがなければ、この本が読者の手に渡ることはありませんでした。
本当にありがとうございました。
そして、私のためにサーバントとなって導いてくださっている神さまに心から感謝します。
二〇一八年二月
中澤信幸