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3日間のデンマーク記録 in 2024 

5度目のデンマークは5日間。実質3日の短い短いスタディツアー。初めてのボーゲンセ、オーデンセ滞在は、ぐるんとびーの菅原健介さんとその仲間たちに混ぜていただいた。ラワーセンいつみさんと通訳の恭子さんにお世話になりっぱなし。

要の人たちが写っていないし記念写真になっていないけれど、自転車がデンマークらしいかなと笑ツアーはあと数人、レンタカー3台で移動しました。

出会いを大切にして、自分なりにできることはなにかなと考えながら、皆より一日早く帰路に着く。

デンマークから帰国してそのまま4日間九州に行って講演していたから、昨晩、やっと東京の自宅に戻って、ゆっくり起きて、デンマークのスーパーでゲットしたブレッドにニシンの酢漬けを乗っけたオープンサンド、乗り継ぎのヘルシンキでゲットしたフィンランドのローカルな紅茶で簡単ブランチ。

オープンサンドは食べてしまったので、なる前の素材の写真(笑) ちなみに左のパンは、普通の黒パンではなくて、いろいろな穀物が入っているものなので、ニシン乗っける感じではない(でも好きだからこっち)。日本だったら、黒パンはドイツ系のパン屋さんに行けばあるし、ニシンの酢漬けが買えるスーパーもなくはないかな。でもちょっと珍しいかも。


プログラム(認知症介護施設、行政の仕組み、家庭医、ペダゴー養成校、公立保育園、公立小学校と付設の学童、ボランティアセンター)については、きっと皆さんが報告して下さるだろうから、私は脱線した話を。

オーデンセからの帰りのコペンハーゲン行きの電車はちょっと混んでいて、立っている人も数人。でも、同じ車両に大きなベビーカーで赤ちゃんを連れた母親が2人と自転車。

顔が写らないようにと思ったら、全然写せなかった車内の様子。左に0歳の赤ちゃんを抱っこした母親、正面は車内散歩に行ってしまった親子のベビーカー、右側に小学生のお父さんが立っていて、ベビーカーの後ろには、座り込んでいる小学生たち。そして、窓の近くにかろうじて自転車のサドルが写っている。

・8ヶ月位の赤ちゃんの母親はおっぱいを出して(見えてた)母乳をあげたり抱っこしたりして寝かせつけに苦労しているけれど、周囲の目は温かくて、乗客が声をかけている。

全体に余裕があって、一昔前の日本ももしかしたらこうだったのかもしれない。私たちにはもう思い出せない世界だけれど。

・2歳位の子の方はベビーカーを置いて車内の散歩に出かけたり絵本の読み聞かせをしたり。連結部にあるトイレはベビーカーのままで入れる広さ。点字や絵の説明もあって、わかりやすい。

・途中から乗車した小学生3人連れの家族は、子どもたちが床に座ってスマホをずっと見ている。これは日本と同じ。どこも大変だ。

<オーストラリアはとうとう16歳未満のSNS使用を禁止するそうだけれど、これから世界の子どものSNS動向はどうなっていくのだろう。確かオーストラリアの調査結果はだいぶ前に日本の厚労省のWebサイトに出ていたんじゃなかったっけ?ICT年齢制限は私もGIGAスクール導入時から提案してきたのだけれど、日本ではとんでもないという受け止めの方が主流だと思う。困りきっている母親たちは少なくないけれど、一時的に生活上助かる面もあるし、与えちゃうよね。止めることができなくなっている。母親の声は聞こえない日本。韓国のように死者が出ないと気づかない?それに日本では子どもの心や脳や身体の発達の阻害に関心を持つ人は少なくて、つねに経済につながる展開の方が重要とされる>


・向かいには自転車🚲でそのまま乗り込んだ人。都内23区内の移動は自転車で1時間以内でほとんど行けるのだから、17年前オランダに滞在していて、コロナ禍から移動を自転車中心にしている私としては、もっと気軽に自転車に乗れるように日本も環境整備を進めてほしいと思う。一車両に2台の自転車が入れるというのは、日本では、過疎地の第三セクターでもなければ、当分ありえないと思うけれど。ちょっと残念な気持ちがあるから、デンマークで撮影した自転車の写真を並べて置く。


・列車の運行は安定していて車両はきれい。欧米の電車は日本より汚い印象がかつてはあったけれど、最近はずいぶんきれいになってきた感じでうれしい。そういえば、座席の上方に指定になっている区間が書かれているから、自由席の乗客はそれを見て大丈夫そうなところに座るようになっている。私のような自由席派には助かる。ヨーロッパではほぼみんなそうなっているみたい。忘れてた。自由席を利用する人たちを端っこの車両に追いやる必要もなく、人を分けない。合理的。日本がそうしないのは、何か理由があるのかな。

さて、もとい。子育てや保育・教育の話を書くんだった。
デンマークでも他の国々と同じく、おそらく近代化と共に子育ては大変になりつつあるのだろうと改めて思った。オランダもカナダもそうだけれど、見守って自由に育てるというのはバランスが結構大変。そこに近代化が入ってきたら、子どもたちのwant は増大化して、制限を入れていくのは難しいだろうと思う。むしろ、デンマークの方がある面で遅い展開になっていて、これから大変になるという見方もできるかもしれない。そうはならないと信じたい。コロナ禍でも子どもたちが外に出るようにした国。今回、見学したのは日本と同じような公立学校だったけれど、すばらしいオルタナティブスクールが多く存在する国。

(教育についてはさまざまな資料があるけれど、こちらは、日本人の感覚でデンマークを理解するには、軽い感じでいいかも。)


そもそも子育てや教育のベースとなる時間、空間、仲間の捉え方が、日本とはかなり違う。人権や民主主義に対する知識も考え方も姿勢も、質量ともにまるで違う。そうなってくれば当然、対人援助の基本思想が違ってくる。社会的(&相対的)弱者への基本姿勢が全く違うのだから。
(どう違うかをここで書いていると、時間がいくらあっても足りない。いまや参考になる本はいろいろ出版されているし、ネットでも拾えるし。・・・その中でどれを選ぶか、が大事だけれど)

見た目や理念は同じように思える部分も多いから、表面だけ見ているとわからない。例えば、日本もデンマークも民主主義だよ、みたいな(;^_^A そういう人は、こちらが必読。

それから、北欧と一括りにしてしまいがちだけれど、歴史も地理も違うから、そこで違いが生まれてくる。私も全部に行ったことがあるからそれぞれの国に対して自分なりの印象は持っているのだけれど、人に伝えていい類のものなのかちょっと迷う。それぞれの特徴が的確に言える人がきっといると思うなあ。でもなかなか難しそう。

たとえば、今回、改めて学びに行ったペダゴー(0歳から100歳までの人の社会的生活を支え、社会的発達を保障する対人援助職)は、北欧のすべての国に同じようにある専門職ではない。なぜ、他の国にはないのか、ということを知ることによって、対人援助に関する基盤の差異を知ることができるだろうと思う。2019年に行ったアイスランド大学(アイスランドはデンマークから独立した国)では、カリキュラムを工夫してデンマークからさらに進んだことをしようとしていたけれど、あれは今はどうなっているのか、手がつけられず、調べられていないし、ドイツのペダゴーはプレイワーカーに近いみたいという情報を得たけれど、どうなんだろう。

かつて、カナダの人が、導入しようとしていた教育プログラム用に100万円近くお金をかけて日本人のイラストの入った教材を作成してくれたのだけれど、そこに描かれていたのは、東南アジア系の人だけれど明らかに日本人とは違う、少なくとも日本人には日本人に思えないイラストだった。それで、申し訳ないけれどそれは使えないと私は却下した。せざるを得なかった。事前に相談がなかったのだもの。その判断はカナディアンに理解されなかったな。

同じ日本人でも、東京と大阪で気質が違う、みたいなことはあるわけだけれど、海外から見ると、同じに見えるわけで。そういうことが起きて、気がつかないままということはままある。だから、海外情報を伝えることにどうしても私は慎重になる。

特にデンマークやオランダのような場合、英語圏と異なって、情報源となる日本人が限られるから、「その人個人の受け取ったものの見方」が一般的と受け止められてそのままになりがちだし、言葉や概念の、日本人には簡単に気づけないずれも気になるし。かといって、事実だけを調べていても、人間のことはわかってこない。
日本人に、「日本の教育のことを話して」と言ったら、自分の経験からみんな話せるけれど、それを外国人が聞いて日本の教育のことがわかるかっていうと、ちょっと偏りのある理解になる可能性が高い。そういう限界を踏まえて、どう聞いていくか、話していくかって言うことなんだけれど。

たとえば、森のようちえんの見学に、日本からたくさんの人が行くけれど、「何のために森のようちえんがあるのか」というところが置き去りになりがちに思えると澤渡ブラント夏代さん。そうね、日本の子育て観や教育観の中では、森の中で「それはだめよ」「いけません!」「はっぱの数は何枚でしょう?」なんていうやりとりがなされ始めかねないという危惧は、無きにしも非ずっていうか、あったし、そういえば、子どもたちが、先生のお手本と同じ葉っぱの工作をみんな揃って作ってる「ちいちいぱっぱ」の森のようちえんを日本では見たことがあるな…。確かに!すずめの学校は森のようちえんか…。

今回、子育てや教育分野のペダゴーに関して言えば、この短い期間という制限もあって、私は、残念ながらこれは是非と思う実践事例に接することができなかった(´;ω;`)ウゥゥ。実践なしに、制度や形態、手法や理論だけを取り入れたら?対人援助の分野でそれはあり得ない!!

もちろん、かつての視察の中で、特別支援(Tae Arita Turnbullさん!お世話になりました)や森のようちえんのペダゴーたちが活躍しているところを見せていただいてきたから、この専門職の可能性を信じているけれど。

特別支援でない学校での2人担任制について複数の当事者たちの実践を見て、話しをうかがう機会が必要だなあ。でも、たとえば日本の学校で海外の人がヒアリングするということを考えたとき、先生2人だけに会って、それが「日本の先生」だなんて、とても報告できないわけで。日本人で小学校と幼稚園でペダゴーをしている方の話を聞いたことがあるのだけれど、一般化するには情報量が少なすぎる…。

ペダゴー養成の仕組みについては、カナダのトロント大学のソーシャルワーカー養成で20年以上前から確立、実践されていた仕組みとほぼ同じだった。課題のクリアの考え方も同じ。今、私が翻訳している書籍にもう少し先のことまで丁寧に解説が書いてあるから、早く翻訳しなければ!!

というわけで、今回は、デンマークへの別のエントランスを見つけに行った感じ。それに参加者は介護・医療関係の方が多かったから、自由時間に私の知らない世界を教えていただいた。改めて、ここからだなあ。これからだなあ、と思う。もしやるならね。

日本と海外の対人援助職の良いところをドッキングして、基盤にデンマークの哲学を置いて、どう新しい日本の対人援助職養成を考案していくか。誰かやってくれないかな~~。

とりあえず、デンマークで買ってきたグラノラにヨーグルトをかけて食べながら、デンマークの子育てに関する英語の本をぽちってみた。やっぱりデンマークのグラノラ、美味しいわ~~。

※ たくさん撮ってきた写真を見ていたら、しゃべりたくなってきたな~。
思いつくことを書き始めたらもうエンドレスだから、誰か相手を見つけて、写真を見ながら思いつくまま一度全部出してみようかな~。
  

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