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コーヒーと対話の良い関係 【週刊新陽 #89】

12月21日(水)は、今年最後の『中つ火を囲む会(通称:中つ火)』でした。

ビジョンの共有やお互いを理解しながら協働することを目的に、月1回ペースで開催される職員の対話の場ですが、あらためて「対話とはなにか?」対話してみようということになりました。

何かと忙しい年の瀬ということもあり、今回はゆるやかな場になるように趣向を凝らしたいなと思いました。すると丸美珈琲店代表の後藤栄二郎さんがコーヒードリップセミナーを同時開催してくださることに!

以下、コーヒーの香り漂う職員室で行われた中つ火のレポートです。ぜひ香りや音、そして味わいをイメージしながらお読みください。

ボランティアで出張バリスタしてくださった後藤さん

対話ってなに?

ファシリテーターの熊平美香さんから、「コーヒーの香りが私のところに届いていないのが残念ですが、気持ちはみなさんと共にコーヒーを楽しむ感じでゆるーく進めていきたいと思います。今回は、対話についての定義がセッションの前と後で何か変わる、そんな変化が一人ひとりに起きるといいなと思っています。」と始まった今回の中つ火のテーマは『対話を探究してみよう』。

「対話ってなに?」という問いについて一人ひとり答え(定義やイメージ)を持つことをゴールに置いて、いくつかの切り口で対話について考えます。

まず初めに、それぞれ対話についてどう捉えているかMentimeterに書き込んでみました。

「自分と相手」「自己と他者」「〜し合う」などの共通ワードはあるものの、どれひとつとして同じ表現はありません。

対話についてそれぞれが自分の考えを持っていることが共有され、定義が一つという前提では無いのを確認したところで、いよいよグループ対話のセッションです。

生徒の対話、教師の対話

パート1は『生徒の対話の時間』について『理想の姿』と『ちょっと違うと感じる姿』を出し合いました。

グループでの対話を全体でシェアしてもらうと、

「理想的なのは、一方的に自分の意見を押し付けたり相手を否定したりするのではなく相手の言葉を一旦受け止められるようになること。そのために、お互いに関心を持ち合うことや尊重し合うこと、思いやりが大切なのではないか。」

そんな話が多くのグループで出たようです。また、

「言葉のやりとりがなくても対話と言える場面もあるのでは?」
「1対1の対話もあれば集団の中での対話もある。自己対話も。」
「どこまでが会話でどこからが対話か明確に分けるのは難しい。」

などの意見も。

「自由にしすぎると対話が起きない。」
「対話できるスキルや、自己開示を受け止めた側の反応やモラルについてトレーニングも必要。」
「答えが一つではない問いにするのか、答えは一つでもそこまでのプロセスが多様である問いにするのか、設定によっても展開が異なる。」

など、授業における問いの設計についての話が深まったグループもありました。


さて、パート2では『教師同士の対話の時間』について『理想の姿』と『ちょっと違うと感じる姿』をグループ対話。

「対話しようとわざわざ言わなくても、対話になっていることがある。」
「教員の方が生徒に比べると知識や経験があるので、無意識のうちに対話が成り立つ。」

という意見の一方で、

「知識や経験があるからこそ目的を明確にして共有しておかないとテーマがずれてしまう。」
「話しやすさはやっぱり大切。飲み会は話しやすい。でも話が逸れてしまうことあるよね、それってもしかして対話じゃなくて単なる雑談?(と言っているうちにも話が逸れていたようで・笑)」

との見解も。さらには、

「パート1と2で生徒の対話と教師の対話を分けて話しているが、そもそも違うのか?人と人の対話であって、基本的には変わらないのでは?」

「考えが深まっていく対話や、新しい発想が生まれる対話がある。そして例えば職員室で誰かと誰かが話をしていて、周りで聴いている人の探究や発想が進むこともある。それも対話なのではないか。」

など、まさに対話によって『対話』の概念が広がったり深まったりしたようでした。

3つ目のパートは学年で集まって、「今日の気付きを何らかのアクションにつなげよう」と振り返りと共有を行い、最後に一人ひとりアップデートした「対話ってなに?」の答えを共有しました。


対話は言葉だけじゃない

グループ対話をしている横で、後藤さんにコーヒードリップのセミナーをしていただきました。

今回教えていただいたのはニューウェーブドリップでの淹れ方。なんと、これだと誰でも簡単に、スペシャルティコーヒーの味が抽出できるというのです。

レッスンを受け実際にやってみて、美味しいコーヒーは淹れるのが難しいとか、コーヒーは胸焼けすることがあるなどと思っていた私たちの常識が完全に覆りました。美味しい!そしてシンプル!!(プロセスは複数ありますが、一つ一つにロジックがあり簡潔でした。)

ニューウェーブドリップの淹れ方はこちら▼
https://www.marumi-coffee.com/howto.html


ドリップセミナーの最中、ふと「香りが美味しい!」と漏らした先生が。コーヒーは味だけでなく、香りや音も味わえることを共感した瞬間でした。

職場でのコミュニケーションは、言葉に頼るところがどうしても大きいですよね。声や表情が分かればまだ良いですが、チャットだと本当に文字だけになってしまいます。

でも五感を使うと、言葉だけの時より少し優しいコミュニケーションになる気がします。

コーヒーの香りが職員室に広がり、美味しいコーヒーを味わいながら、そして後藤さんのレクチャーに引き込まれ、先生たちの顔もいつもよりほころんでいました。

【編集後記】
今回の中つ火での「コーヒーと対話」の企画、実は以前から熊平さんや福田さんとアイデアはあったのですが、先月私が訪問したオランダのどの学校の職員室にもコーヒーがあり、カップを片手に先生方が話している場面をたくさん見たことから、実現してみようということになりました。実はコーヒーによって集中力や処理能力が上がる、というデータもあるそうです。
今回、後藤さんから美味しいコーヒーの淹れ方を教わったので、新陽の職員室でも続けていきたいと思います。

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