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映画「怪物はささやく」と「ひるね姫」

ファンタジーと夢は切っても切れない。
夢で見ていて最終的に同一化してしまうのを読んで印象に残っているのは、ラルフ・イーザウの「ネシャン・サーガ」だ。
夢の中の異世界で、ジョナサンはヨナタンとして生きていく。

この二つの話ではそういう感じではなかった。


「怪物はささやく」の夢も怪物も
重病の母親と向かい合うために必要な事だった。
夢ではいつも足元の崖が崩れ、母を助けられない。

描かれているのは、学校でいじめられている少年と
母の看病と少年の世話をしに来ている祖母や、離婚して新しい家族がいるらしい父親とのやりとり。
誰にも心を開かない少年に迫るのは、怪物だけだ。
恐怖もあってのことだけれど、真実を話せと迫られる。

最後に母親に言えた真実が切なかった。

祖母がシガニーウィーバーだった。


ひるね姫

ひるね姫

「ひるね姫」は夢で別人として生きている。
ぬいぐるみも生きている。
母がいなくて、父が母の話をしてくれないことが不満だったが
夢の中での体験を通して、父がしてくれていた話を思い出して
「これって私の話でなくてお母さんの話だったの???」
と腑に落ちる場面があって。

父は「やんちゃはするが筋は通す」タイプで
娘はかわいがっているが、むしろ「母いのち」なのである。
父親として娘を守り切る姿はかっこよかった。

異世界の王国では、王との直接対話を邪魔される皇女(母)
現実社会でも、孫しての名乗りとと自動車会社会長の出会いを邪魔する
側近が、世界の境界を越えて存在する。

形状変化する自動操縦車は、トランスフォーマーみたいだが、
ベイマックスにちょっと似ていてチャーミングだった。

心の羽と書いてココネって、良い名前だと思う。

   



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