死の教育機関(原題)
黒魔術とか、闇魔法ばかり教える学校なのかと思ったらとんでもなかった。
ダークファンタジーと言ってよいのか。
学校に入れて上手く過ごせば
子どもの四分の一は助かるが
入学しなければもっと子どもが死ぬ世界。
何故かと言うと、あらゆる暗がりに魔物が潜んでいて
隙を見逃さず、食らいつくのである。
ヒロインのガラドリエル。エルと呼ばれる三年生。
ロードオブザリングからつけられたの?と聞かれたことで
ちょっとだけ周りの視線が緩んだりするが
友達はできないし、自分からは声をかけず、閉ざした心を開けない。
アアディヤという唯一声をかけてくれる子にも言われる。
「あんたって雨のにおいがするんだ。
ずっと晴れていると思った日にずぶぬれになるほど降る雨のにおい」
ようするに、何か縁起が良くない気配を持っているのがエルだ。
父方の祖母に、不吉と言われ母とその地から逃れた。
魔法自治領という、魔物から身を守るすべを持つ人たち(魔法族)だけで作っている都市があるが
エルはあらゆる自治領から拒絶されてきた。
母は魔法使いの中でもとても優秀なのだが。
母はこの学校の卒業の時に身ごもっていて
その母を助けるために父が代わりに魔物に食われたのだった。
この学校は教師の存在感はなく
自分で選んだコースの科目の部屋に行くと
その子の実力にあった課題が現れる。
でもちょっとだけ、誰かの手を借りないと難しいような課題もある。
基本は等価交換で、学生同士貸したり返したりでなんとかする。
油断すると、校内で魔物に食われる学校なのだ。
ハリポタのホグワーツで言うなら、
動く階段が止まったら魔物がいる とか
暖炉のわきに魔物の巣ができているとか。
資料室に行くときは誰かに見張っていてもらいながら
資料を探さないといけないし、
シャワールームのある水回りで飲み水を水差しに入れるのも
もちろんシャワーを浴びるのも一苦労で。
エルは、呪文の学習では、大量殺戮ができるくらいの
魔法も知っていて、マナもあるが我慢している。
殺傷能力もある魔法を実は沢山使えることも
不吉な予言をされていることもあって
他人に頭を下げるのも嫌だが
フレンドリーに接することもできないで、苦しんでいる。
一年後の卒業式を乗り切るために、仲間を作らなくてはならないのに。
ある時 オリオンという同級生男子に助けられる。
みんなを助けに回っている、ちょっと特別な生徒だ。
少しずつ、その子と関わるようになって、人間関係に変化が出てくる。
いろいろあってオリオンも一緒に
卒業生を食い殺そうと卒業式の広間の
魔物を一時的に一掃する魔動機械を
修復しようとするのだが。
500ページもある本なので
細かな設定もエピソードも人物像も説明しきれない。
終盤のハリポタのように命がけの日々なのである。
何かを引き合いに出すのは台無しなのだが・・・
この本、Lesson1なのである。
続きは「闇の覚醒」
早速 予約した。図書館に。
(0079)