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その本は その2
「その本は」のラスト間近の話。
ヨシタケさんの話だけれど。
その本は、ヒーローが負ける話だったので
人気はなかったのだけれど
自分にとっては励まされる話だった。
大人になってその本を見て作者について調べたら
自分の父親と一緒に従軍していた人だとわかった。
父が自分のことを話したかもしれない
その人は自分に向けてかいてくれたかもしれない
偶然がたくさん重なって、その人の本を読めたけれど
誰かに向けた言葉や本が読まれないことだって
たくさんあるだろう
まるで海に手紙を入れたビンを流すように
そうやって本は作られているかもしれない。
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その話を読んで思い出すのは
「生きることの意味」という本だ。
児童文学者協会賞をとった本なのだが、
彼の息子は自死してしまった。
父親の本を読んだのかどうか、ずっと考え続けた本。
(後年「読んだ」という説が出ていた)
辛かっただろうなとずっと思っている。
私が思っても何にもならないし
それからもうすぐ50年になるし
作者は今年亡くなったけれど
伝えたい人ということでそんなことを思い出してしまった。
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