朝 六時二十一分
父が亡くなった
眠っている間の死であった
夜中に見回った職員によれば
テレビをつけて見ていたと。
朝方来たら、息をしていなかったと
死因は「老衰」ではなく、脳梗塞であった
老いて衰えていたのは、血管であったのか
テレビに恐山の風景が映り
死の風景も美しい と思わせる
死者への思いを解き放つ
とは何か。
臨終直後は
死者への思い
ではなく
まだ
生者への思いである
父の死を悼んでくれる施設の人たちは
私よりも 日常を共に過ごしてきたのだが
それをたいしてうらやましいとも思わない自分の
薄情さを思う。
(2022 9.9)
(0007)
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