猫と罰
「猫に九生ありという」
三回目の生であの「名前のない猫」になり、その作者である主人を敬愛していたが、結局名をつけられないまま死んだ猫。
その後の生の中で、自分の真名は金之助だと決めるが、誰にも名乗らない。
群れず、媚びず孤高を貫く彼は、時代や人間に簡単に殺されてしまう。
最後の生で、猫の言葉がわかる古書店店主に世話になることになる。
何匹かの猫と、入り浸っている小学生。
猫たちはかつての生で作家に飼われていた猫。
本が売れると知らない内に足されている。
店主は店を離れての旅行などをしたら病気になるそして物語を書けない。
小学生が書いてきた物語を読んで泣く店主。
この小学生の成長に伴うあれこれや他の猫たちの関りが何とも言えず良かった。
ファンタジーノベル大賞受賞作だそうだ。
ファンタジー好きなのに、この大賞にはあまり関心を持っていなかった。
神と猫の対決が痛快だった。