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2023年10月の記事一覧

「詩の教室」を読む

本でも叱られるんじゃないか と思いながら読み始めたが とてもやさしく励まされた。 詩から逃げ出したこともあり 生活のために別に仕事を持って 詩から離れていたこともあるそうだ。 今上手くかけなくても いつか書けるかもしれないと言ってくれる。 善人なおもて往生をとぐ いわんや悪人をや という言葉を挙げて 「才能のある人はすぐれた詩を書くことができる、まして才能のない人に  優れた詩が書けないわけではない」 「幸せな人はすぐれた詩を書くことができる、まして不幸せな人に  すぐれ

スカンダーと幻のライダー

ユニコーンと絆を結んだスカンダー少年のシリーズ二作目である。 この話の中では ユニコーンは卵から生まれ、卵の中からパートナーと心を通わせる。 ライダーとして認められた少年少女。 パートナーが見つからなかった卵は、 「野生のユニコーン」として永遠に生きる。 骨が透けるようになっても、生き続け、死に続けるのである。 野生のユニコーンは原初の魔法の守り手なので 殺してはいけないのに、野生のユニコーンが次々殺され、 島の魔法バランスが崩れていく。 原初のライダーと原初のユニコーン

残月記

二つ目の短編まで読み終わった。 作者はファンタジーノベル大賞を受賞しているそうで、 確かに、と思える設定と構成と筆力だった。 「そして月がふりかえる」では 主人公は、母が亡くなるまでの15年の間も 多分亡くなってからも 月に見張られているという怯えを持ちながら生きてきた。 幼いときは、自分に影があるという事にも怯えたという。 どこまでもついてくる影を、「悪しきもの」だと思ってしまったら それは怖い。 そういう子どもの怯えをバカにしたりからかったりする両親。 それでも、大