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2022年11月の記事一覧

長田弘さんのこと

好きな詩人は何人もいるが 講座にまで行ったのは三人だけだ。 その内の一人が、長田弘さん。 「深呼吸の必要」は映画にもなった。 詩の内容とは違うと思うけれど、題名が良かったんだろう。 「深呼吸の必要」の中で好きなのはこれ。 「童話」という詩の後半部分だ。 お日さまの光を集めて帰って子どもに与えたいと思う親。 日陰に入ったら無くなってしまう、日の光。 初冬の街路。 「空の下」は この「一日の終わりの詩集」に入っている。 どの詩も好きなんだけど 新聞週間の時に、新聞に載

旅をする木

 表題の「旅をする木」では、アメリカの原子力委員会が、かつて核爆発で実験的な港をアラスカに作ろうとしていたが、それに反対した人がいる。その人の本が好きだった筆者は「会ってみたかった」と、語る。  そんな実験でアラスカが壊されなくて良かった、と心から思う。だがしかし、それが1960年のことらしい。日本に原爆落として15年後なのに。大きなダイナマイトくらいにしか考えていない人はいるのであった。  「旅をする木」はトウヒという木だ。筆者もまた「旅をする木」という一章から始まる本を

すぐ死ぬんだから

あらすじなど  主人公は78歳の主婦。若くいるために体操やマッサージや服装、化粧品に至るまで手を抜くことがない。10歳以上は若く見えることが誇りである。バアサンくさくなることと薄汚い年寄りと見られることがとにかく嫌なのだ。  雑誌の読者モデルをしたり同窓会で褒められたりけなされたりしながら、彼女は老いに任せてくすんでゆく同世代を見下すように生活している。 夫は、ことあるごとに「お前と結婚できて幸せだ」と言ってくれて、全く着飾らない嫁以外は腹が立つものもこともない。  そん

「嫁をやめる日」と「四十歳未婚出産」

あらすじ 「嫁」  長崎で気に入った家に住むことができてパートで勤める夏葉子  。 夫が突然死し、出張だと言っていたのが市内のホテルにいて、浮気の要素が出てくる。 夫婦仲が良かったとも愛されていたとも感じていなかったが、貯金通帳を見て長年の不倫だったことに愕然とする。そして夫の両親が、自分を将来の介護要員としてあてにしていることもわかる。自分が留守の間に、友達を連れて合鍵で上がりこまれることも続き、次第にストレスが溜まってくる。墓石にも自分の名前が刻まれている。近所に監視さ

一度覚えたことは思い出せる

他人にはどうでもよいかもしれない過去の読書記録 小学生の時に読んだ本なんて覚えていない。 と思っていたが 書名を確認しながら考えると小学生で読んだ本だとわかる本があった。 『(アルプスの少女)ハイジ』 『家なき子』 『小公子』  『小公女』 『十五少年漂流記(二年間の休暇)』 『バンビ』 小4の時に、(たぶん)学級文庫がクラスにあって 福音館の大長編シリーズがあったのだ。 『家なき子』はそれで読んだ。分厚い本だった。 アルプスの少女ハイジは、ちゃんと信仰に触れている翻