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夏風邪

病気になるのは辛いし、ならないほうがいいに決まっているけど、病気から教えてもらうことはやはりあって、体からのメッセージだなぁとつくづく思う。

2週間ほど前のお盆のころ、夏風邪をひいてしまった。
あれ、なんか熱っぽい、と思っているうちに高熱が出て、結局1週間くらい寝込んでいた。
風邪はよくなったものの、副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)ぽくなってしまって、耳鼻科の薬を3週間処方されている、トホホ・・・
夏風邪はほんとにしつこいし長引くので、みなさんまだ油断せずお気をつけください・・・

夏風邪には昔から因縁がある笑

冬に職場で風邪やインフルが流行っていても、ひとりだけかからない、というようなタイプだが、やはり夏には弱いようで、以前もひどい夏風邪をひいた。

10年位前、まだ20代後半だったころの夏、ひどい夏風邪をひいて会社のトイレで小一時間吐き続けたことがある。
人生でこんなに嘔吐したことがなくて、

「え!?この体に??こんなにモノが入ってんの!?」

と驚愕してしまった。

病院も受診して帰宅したが、薬を飲んでも具合が悪い状態が続き、そのうちなぜか呼吸が苦しくなって頭がぼんやりし、手足がしびれてきた。

ありがたいことに、それまで数日寝込むようなひどい風邪をひいたことがなかった私は、

「これはほんとに風邪なのか??なんか処方薬のアレルギーとか??このままでは朝までに私は死ぬ!!!」

と完全に思い込み、パニックになった。

そう、私は過呼吸になっていたのだ。
それまで過呼吸になったことがなかったので、呼吸が苦しいのも、手足がしびれているのも、酸素を吸いすぎているせいだとわからずパニックになっていた。

今思えば、私は健康不安を感じやすくて、コントロール外の出来事が起こるとそれを受け入れられずに何か対応しなければとすぐに思ってしまう。

いまだその傾向は残っていて、すぐに薬に頼るほうだし、今までにない症状があったりするとすぐ自分は重大な病気なんじゃないかと心配になってしまう。

今回の夏風邪も、普段そんなに熱は出ないのに高熱が出てびっくりして、すぐ診察を受けた。
結果「夏風邪ですかね」ということで、対症療法の解熱剤とのどの薬が出た。

「解熱剤とのどの薬かぁ・・・」

ご存じの通り、風邪自体に効く薬はない・・・
熱とひどいのどの痛みに、タイミング悪く生理周期に重なり、弱り目に祟り目、PMSに生理痛にで最初の数日はメンタル的にもめちゃくちゃへこんだ。

でも毎日少しずつ症状がよくなってくると、布団の中でぼんやりしているうちに、至極当然のあることに気づいた。

薬はあくまで対症療法だってことは、私の体が私を治療しているんだ、ということだ。
つまり、風邪に対しての一番の薬は私の中にある。
「私には自己治癒力があるんだ!」と。

そんなの当然じゃん!と自分でも突っ込み入れたいくらいなのだが、なんだかそれが初めて腑に落ちた、という感じなのだ。
青天の霹靂!みたいに、突然、きちんと理解した。

さらに気づいたのは、「そうか~私って今まで全然自分の体さんのことを信じてこなかったのね」ということ。
頭痛になれば頭痛薬を飲み、お腹を壊せば下痢止めを飲み、眠れなければ睡眠薬を飲み・・・
薬が悪いわけではもちろんなくて、ただまずは自己治癒に任せてみよう、というのが欠けていたと思う。

つまり、「自分のことを信じてなかったんだ」と。
それで人生で初めて、自分の免疫細胞に「ありがとうねぇ」とイメージの中で感謝を伝えられた笑
これは、鬱になってしまいやすい考え方にも通じていると思う。

鬱も、抗うつ剤はあくまで対症療法で、どうやったらセロトニンが正常に出る状態に戻るのか、たぶんこれは誰にもわからないのが現状だと思う。
でも医者が「とにかく休養」というのは、自分の体の治癒力に任せるということだろう。

夏風邪をひいてひどいお盆だったけれど、初めて「自分の体にも鬱を治癒する力があるかも」とほんのり思えたのは小さな収穫だった。


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