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「休養学―あなたを疲れから救う」片野 秀樹 (著) を事業リスクマネジメントの視点から読んでみると?

【今日のポイント】

先日、「高橋ひろあき | 学びのアウトプット士」さんのnote記事で紹介された、『休養学―あなたを疲れから救う』を読みました。

猛暑で疲労が溜まっている方はもちろんのこと、
ビジネス上のリスクマネジメントの視点からも色々な示唆・ヒントが得られるものと一読をお勧めする次第です。

1. 書籍情報、構成

先日、『休養学―あなたを疲れから救う Kindle版 片野 秀樹 (著) 』 https://amzn.to/4fon9Y2 を読みました。
本書はnoteでフォローしている「高橋ひろあき | 学びのアウトプット士」さんの紹介記事で知りました。

単行本はこちらから
『休養学: あなたを疲れから救う 単行本  2024/2/28 片野 秀樹 (著)』


前述の通り、本書は、noteでフォローしている「高橋ひろあき | 学びのアウトプット士」さん(https://note.com/hiroaki1979がご自分のnote記事で推薦されていたもので、その紹介文を読んだことがきっかけで購入したものです。

「高橋ひろあき | 学びのアウトプット士」さんの本書の紹介文はこちら。

高橋さんからは、以前「発信する勇気」をご紹介いただいて、私のブログでも感想文を載せましたが、
高橋さんの紹介文は、図解を入れていただいており、本書の要点が分かりやすくコンパクトにまとまっていて、ぜひ一読をお勧めする次第です。

前回ご紹介いただいた「発信する勇気」の私の感想文はこちら。

本書は以下のような構成となっています。

(引用は『』でくくります。改行は筆者挿入。以下同様。)

『はじめに
第1章 日本人の8割が疲れている
第2章 科学でわかった! 疲労の正体
第3章 最高の「休養」をとる7つの戦略
第4章 眠るだけでは休養にならない
第5章 新しい「休み方」をはじめよう』

出典:『休養学―あなたを疲れから救う Kindle版 片野 秀樹 (著) 』

猛暑が続く中で、疲労が溜まっている方も多いかと思いますが、
疲れを感じている方はもちろんのこと、今は疲れを感じずとも、これから疲労をためて、体調を崩さないよう、そして心身のコンディションを整えて公私ともに快適にかつ高いパフォーマンスを維持できるために気をつけるべきポイントが、他国の状況とも比較しながら分かりやすく提示されています。


2. 自分の気付き、ToDo

本著の中で、まずは本書の語る疲労対策について、特に印象に残り、私が気付きを得られた部分をいくつかご紹介します。

なお、以下の「P*」は本書(Kindle版)のページ番号です。


● 『おそらく韓国は、運動やスポーツをしたり、家族や友人や恋人と過ごしたりすること自体が休養になると考えているのではないでしょうか。(P33)』

『第1章 日本人の8割が疲れている』の中の、『他の国との違いは「休み方」にあった(P31)』の一節。

日本よりも睡眠時間が短く、労働時間も長い韓国の「プライベートな時間が増えたら何をしたいか」という質問への答えやドイツなど他国の回答から、著者は日本人は、睡眠や休養の時間だけでなく、休み方に問題があるのではないかと問いかけています。

この指摘は、休日の過ごし方や一人でいるときの過ごし方を振り返るきっかけになりますね。

私も「ダラダラと、あるいはスマートフォンやパソコンを使っている時間がプライベートでも長いのではないか」と反省した次第です。


● 『座ったままできる仕事が増えて体は楽になった一方で、体はあまり疲れないのに頭だけが疲れることで、結果的に肉体にも疲れが残るようになっているのです。(P39)』

『第1章 日本人の8割が疲れている』の中の、『私達の疲れ方は昔とは大きく変わった(P39)』の一節。

確かに、デスクワークが主体となり、さらにオンライン化の進展や在宅勤務の普及により肉体(運動などの身体的活動)と頭脳(知的・精神的活動)のバランスも大きく変わっていると、ここ数年を振り返っても実感するところなので、休み方もそれに合わせて変えていく必要があると納得した次第です。


● 『疲労を出すストレッサーは5つある(P76)』

『第2章 科学でわかった! 疲労の正体』の一節。

著者は、物理的ストレッサー、化学的ストレッサー、心理的ストレッサー、生物学的ストレッサー、社会的ストレッサー、生物学的ストレッサー、社会的ストレッサーを挙げて、ストレス耐性を高めることの重要性を説いています。

(個人的には、化学的ストレッサーに「アルコール(お酒)」が挙げられていることにドキリとしてしまいました。)


また、交感神経と副交感神経のバランスの重要性とそのバランスからみた4つの疲れ方のタイプについても触れていますので、自分はどのタイプかを知るうえでも参考になると思います。


● 『休養だけでは50%程度しか充電できなくても、活力を加えて満充電に近いところまでもっていくのです。(P114)』

『第3章 最高の「休養」をとる7つの戦略』『日常のサイクルに「活力」を加えてみる(P113)』の一節。

 私としては、この指摘が「自分はこの考え方はしてこなかったな」と一番心に響きました。

著者はこの視点から、「活力」を運動などの負荷を敢えてかけることで取り入れる具体的な方法を紹介しています。

なお、この章でも、休養面からみた、お酒のデメリットが記載されており(著者もお避けは嫌いではないので残念と断っていらっしゃいますが)、私も気をつけなければと反省した次第です。


● 『睡眠薬には大きく分けて恒常性調節系、覚醒調節系、体内時計系の3種類があります(図表4‐5)。それぞれの薬が体のどこにどんなふうに作用するかという効き方を知れば、薬を飲まなくても、どうすれば眠りにつきやすくなるか、自分の場合は何が安眠を妨げているのかが理解できるようになるでしょう。(P201)』

⇒『第4章 眠るだけでは休養にならない』『睡眠には3つの調整方法がある(P201)』の一節。

この、睡眠薬を飲まなくとも、薬の効き方のメカニズムを理解することでから、自分の睡眠の問題点と対策を知ることが出来るとの説明から、「知識は力なり」と改めて
感じました。


● 『ビジネスパーソンの皆さんも、手帳の片隅に体調を表す記号や数字を書き込んでみる、スマホにメモをするなどしてみてください。(P215)』

⇒『第5章 新しい「休み方」をはじめよう』の「疲労感をレコーディングする(P215)』の一節。

私も、寝る前にスマホの睡眠アプリを起動させて、今日あった良いことをアプリのメモ欄に書く「3行ポジティブ日記」と起きたときの体調や気分を簡単に記載することを続けていますが、自分の体調に影響している要因は何かや、過去の記録から今の状況だと今後どの程度疲れるだろうかなどを考えられるというのは予防という点でも非常に重要だと改めて思いました。


3. 企業・事業のリスクマネジメントの視点から得られる示唆

 上記のように、本書は、疲労を科学的に取り上げて、「活力」という視点を加えて休養の具体的な取り方を、タイプ別、ケース別に教えてくれるので、心身のコンディション調整という点からも大変参考になりますが、

この「身体」を「組織」や「事業」に置き換えても、リスクマネジメントの視点からいろいろなヒントが得られるかと思います。

例えば、
「睡眠時間」などの時間の使い方と、その使い方に対するニーズの比較から日本人の休養に関する問題点を提示している部分は、
海外とのデータ比較などは、現在ビジネスでも行われてはいますが、その内容を詳細にかつ多面的に検討することの必要性に通じるものがありますね。

また、「活動⇒疲労⇒休養」のサイクルに、「活力」という要素を加えて、
「活動⇒疲労⇒休養⇒活力」のサイクルに変える点などは、
現在のマネジメントサイクルに抜けているものがないか、あるいは余分なものがないかを見直すことに繋がるかと思います。

睡眠薬の効果のメカニズムのパターンから、自分の睡眠の問題点と対応を探る部分は、事業場の課題への対応のパターンを、その効果のメカニズムを詳細に見ることで、現在の課題に合っているか、また自分が抱えている課題はどのような種類なのかを考えるうえでも参考になりました。


なお、『疲労感をレコーディングする』は、まさに日々の事業や自分も含めた関係者の状況その環境も含めて記録し、傾向と対策を掴むことに繋がるかと思います。

このように、本書は、ビジネス上の問題を「疲労」に、その解決を「休養」に置き換えて読んでみても様々なヒントが得られるものと感じました。


4. こんな人にお薦め

 本書は当然のことながら、疲労感を自覚している方や、家族など周りに疲れている人がいる方、また、今は大丈夫でも今後の心身のコンディション維持(疲労の予防)に関心のある方には具体的な方法がパターン別に記載されていますので、自分にあう方法を見つけられるかと思います。

また、ビジネスのリスクマネジメントの視点からも色々な示唆・ヒントを与えてくれる本として、一読をお勧めする次第です。
『休養学―あなたを疲れから救う Kindle版 片野 秀樹 (著) 』


単行本はこちらから
『休養学: あなたを疲れから救う 単行本  2024/2/28 片野 秀樹 (著)』

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