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「ナンバーワンよりオンリーワン」は本当か?

【今日のポイント】

自社の強みはこれだ!と明確にした際に、それは「オンリーワン」と考えがちですが、
他社や市場ニーズなどに基づく相対評価が必要となりますね。
その際にポジショニングマップやIPランドスケープなどのツールの利用や、
そもそもニーズがある市場なのかなどの確認も重要と考える次第です。

1.自社の強みは「オンリーワン」と言えるか?

このブログでは主に、自社の「見えない強み」を可視化・活用するという視点から、記事をお届けしていますが、

以前から認識している強みやSWOT分析などにより可視化されたものなどの「見える強み」も含めて、「自社の強み」というのが「果たしてどの程度の強みか」ということも重要な検討項目になりますね。

「強み」や「弱み」というのは、基本的には相対的なものであり、特にお客様などにとって、「費用対効果」や「競合他社との比較」、「代替製品との比較」などによって決まるものですので、
自社の内部だけを見ていてもなかなか気づきにくく、かつ取引先などの関係者やコンサルタントなど「外部の目」が必要となることも意識する必要があります。

また、よく、その強みは、「ナンバーワン」か「オンリーワン」かという言葉を聞きますが、
これも、その強みを活かす事業や商品が対象とする市場などで決まってきますので一概には言えないことが多いかと考えています。

なお、SWOT分析については、多くの文献や記事が出ていますが、
本ブログの以下のトピックスもご参考になれば幸いに存じます。

『SWOT分析の、知的資産経営における作成と利用のヒント(1)』

『SWOT分析の、知的資産経営における作成と利用のヒント(2)』

2.自社の強みと市場における自社事業のポジショニングの関係と可視化

上記の「自社の強み」の相対比較は、自社や自社事業のポジショニングの明確化ということになります。

これによって、その市場に競争相手はいるが、自社が一番トップとなっている(ナンバーワン)か、その市場に自社にとって競争相手はいない(オンリーワン)かが明確になってきます。

このポジショニングについてもそれこそマーケティングや新規事業の立ち上げから人材面ではキャリアデザインなど多様な分野で数多くの文献等が出ていますが、
そのツールの一つとして、「ポジショニングマップ」があります。

一般にポジショニングマップは2軸の平面上で自社のポジションを記載するものが多いですが、
それ以外にも円形のマップや、最近良く目にするある事業分野に関連するプレーヤーを整理した「カオスマップ」など、フォーマットもいくつかありますし、

目的に応じた作成方法や利用の仕方が数多くネット記事などでも出ていますので、
現在想定している市場やユーザーと自社の強みと考えている特徴を基にして、
市場でのユーザーニーズに対する自社のポジショニングと、
自社の強みと他社の強みの比較面でのポジショニング双方のマップを作ったり、
その統合版を作ったりと、複数のマップを作って検討することが、
特にユーザーニーズの変化や新規参入者などの現在の事業環境の変化への対応や新規事業への進出時には重要と考える次第です。

なお、自社の強みの相対比較方法として、知的財産の分野では「IPランドスケープ」の活用への取り組みが以下の文献などにみるように、特許庁などの官民で進められていますが、
この「IPランドスケープ」の作成方法や、利用の仕方も自社の強みのポジショニングの参考になるかと思います。

『知財経営の実践に向けたコミュニケーションガイドブック」
特許庁発行 
https://www.jpo.go.jp/support/example/document/chizai_keiei_guide/all.pdf

『市場・戦い方・連携相手を見極める IPランドスケープマニュアル』
独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)の、IPランドスケープ支援事業 令和4-5年度支援事例集。
https://www.inpit.go.jp/content/100881501.pdf


200 DegreesによるPixabayからの画像

3.そこは「ブルーオーシャン」か「不毛の地」か?

これは、私が新規事業立ち上げについて学び始めた頃(まだ「ブルーオーシャン」と言う言葉も耳にしていなかった頃)に、セミナーの講師が強調していたことが、
「この市場は、まだ誰も手を付けていないと思ったときに、そもそもその市場にニーズを持つお客はいるのかを冷静に考えてみることが必要。大抵は、ニーズが無いので誰も手を付けていないことが多い」
というものでした。

これは、今でも通用する言葉かと思います。
ただし、「誰も手を付けていない」理由が、
・ニーズが全く無いのか、
・ニーズが顕在化していないのか(新型コロナ前のテレワークなど)
・ニーズはあるが、それに対応するには技術面やコスト面でハードルが高いからか
など、どのような理由からかを把握して、その理由に対して、自社の持つ現在と将来の強みが対応できるかどうかを検討することで、
その市場が自社にとって「ブルーオーシャン」や「不毛の地」かを確認することに繋がるものと考える次第です。

PexelsによるPixabay

【今日のまとめ】

・自社の強みを見つけたときに、その強みを相対評価する必要が出てくる
・自社の強みの相対評価では、自社事業のポジショニングを市場(ニーズ面)と他社との強みの比較(シーズ面)双方から検討することが必要。IPランドスケープも参考になる
・自社の強みが活かせる市場が「ブルーオーシャン」か、ニーズのない「不毛の地」かと、その理由の見極め、将来の変化も含めた検討も必要となる

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