知的資産と経営資源の関係に考える用語の捉え方
【今日のポイント】
知的資産や知的財産の用語を、経営資源の文脈の中で使うことがよくありますが、この「資産」「財産」「資源」などの用語から受けるニュアンスは人によって異なる事が予想されます。
これらの用語の定義を、コミュニケーションの相手や、コンテンツの利用者と共有することの必要性を、自分自身の反省も込めて改めて感じている次第です。
1.知的「資産」と知的「財産」
本ブログでは、主に知的資産、特にその中でも「企業の見えない、見えにくい強み」などを可視化し活用するという視点から色々な企業経営や事業に関する事象を採り上げていますが、
ネット記事などを含めて、
改めてこの「知的資産」を企業経営の「資産」、「財産」、「資源」などの用語の関係で見てみると、知的資産の使い方にも影響が出てくるのではないかと最近感じています。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)
経済産業省の『知的資産・知的資産経営とは』(https://www.meti.go.jp/policy/intellectual_assets/teigi.html)の、『知的財産権、知的財産、知的資産、無形資産の分類イメージ図』( https://www.meti.go.jp/policy/intellectual_assets/images/teigi_bunrui_rev.png )には、知的資産の中に知的財産も含まれており、知的資産自身は、無形資産の一部と位置づけられていますが、
すでに、この中で、知的「資産」と知的「財産」の双方の用語が使われているわけです。
資産と財産の一般的な用語の使い分けとも若干異なるような印象を受けますが、その用語から受ける印象というのは、意外とその用語を使って行う経営や事業の実務にも影響を与えるのではないかと感じた次第です。
2.経営資源としての知的資産や知的財産
上記の「資産」と「財産」の他に、経営「資源」という言葉もよく目にしますね。
知的資産関連でも、例えば内閣府 知的財産戦略本部の『経営をデザインする』(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html)では、本ブログでもよく採り上げている経営デザインシートについて、
と、「資源」の用語を使っています。
また、特許庁の『知財経営への招待~知財・無形資産の投資・活用ガイドブック~』((2024年4月発行))(https://www.jpo.go.jp/support/example/chizai-mukei-toushi-katsuyou-guide/document/index/all_guidebook.pdf)などの知財経営や知的財産戦略に関するガイドブックや事例集の中でも、
(経営)資源や無形資産、知的資産などの言葉が使われています。
このように、用語としては、知的「資産」や、知的「財産」などの言葉は、無形資産として、経営資源の一部として使われていますが、
特に、あまり「知的資産」や「知的財産」などの言葉を普段使わない方にとっては、「資産」、「財産」、「資源」から受けるイメージはかなり異なるのではないかと、自分自身がまだ知的資産や知的財産についてよく知らなかった頃を思い出しても、改めて感じています。
3.用語の定義とその共有の難しさと大切さ
上記は、知的資産に関連する「資産」、「財産」、「資源」の用語の使い分けのお話ですが、
似たような事例は、知的資産関連以外の場面でも多いのではないでしょうか。
私自身も、事業関連のコミュニケーションの中で、同じ言葉について、お互いが微妙に異なる意味やニュアンス、趣旨で使っている場面に遭遇することを経験しています。
これらの専門用語を含む言葉の定義を明確にして、コミュニケーションの相手や、これらの用語を記録やデータベースなどのコンテンツの中で使う場合は、その利用者とも共有することは、外部環境を含めて社内外の状況変化が激しい現在、必要性を増していると思います。
以下の私のブログ記事などでも「資源」という言葉を使っていますが、
きちんと「資産」、「資源」、「財産」の用語がどのように相手に捉えられているかを今後考えつつ、情報発信していかねばと反省しつつ考えているところです。
『社内外の「未利用資源」の探し方と活用』
『時間やお金などの有限な資源の有効活用に悩んだときは?~基本に帰る』
【今日のまとめ】
#コミュニケーション #ビジネス #用語の定義 #知的資産 #知的財産 #経営資源
最後までお読み頂き、有難うございます(*^^*)!
コメント、ご質問お待ちしております(^o^)!
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