意識と無意識の統合とは?
人が考えていることは、基本的に意識的なものが多いです。これは、これまでに学習してきた結果として、「こう振る舞ったほうがいい」と考えているからです。そのほうが理性的には都合が良く、当たり前のように感じられるでしょう。
しかし、理屈が通らない無意識の世界では、「嫌なものは嫌」「好きなものは好き」といった、論理的ではない感情が支配します。
では、どちらの力が強いかというと、当然、無意識の方が強いです。なぜなら、人間は24時間フルタイムで意識を保つことができないからです。意識していなくても繰り返している動作ができるのは無意識の力であり、考え事をしていても体を動かしてくれるのも無意識の働きです。
このような状況になると、意識的には良いことをしようと思っても、無意識の側でいたずら心が芽生えることがあります。このような対立が生じると、意識で行おうとしていることがうまくいかなくなることが多いです。
例えば、物事が達成しそうになると自ら壊してしまう人や、やるべきことはわかっているのに行動できない人がいます。こういった場合、意識を何とかした方が良いと思われますが、無意識をコントロールしようとするのは誤りです。無意識とは、これまでの経験の積み重ねに過ぎないからです。
多くの人がポジティブなイメージや言葉を無意識に取り込むことで何とかしようとしますが、無意識の領域がどれだけ広大かを理解していません。
例えば、コーヒーカップ1杯のコーヒーに少しミルクを入れると、コーヒーは少し茶色くなります。しかし、ドラム缶1杯のコーヒーに同じ量のミルクを入れても、ほとんど変わりません。このように、無意識の領域の大きさがわからないため、ただひたすらポジティブなものを取り入れ続けるしかないという考え方もあります。
しかし、それよりも、無意識が何らかの集合体であるならば、過去の経験を洗い直し、ネガティブな経験をポジティブなものに変えたり、反応しないものに変えることで、無意識自体を変えていく方が効果的です。
ここで、2つのアプローチを取り入れます。1つ目は、過去の経験に対する感じ方や考え方を改める方法です。これは意識的に行いますが、無意識にも作用します。そして、これはほんの数分でできる方法です。
もう1つは、従来の方法であるポジティブなイメージを取り入れることです。これも、単なるイメージングとは少し異なります。五感を使って体験したイメージを強く刻み込むようにします。つまり、疑似体験を通じて、脳がそれを実際に経験したと認識させるのです。これにより、もともとあった体験を中和したり、混乱させたりすることができます。完全に思い通りの無意識にすることはできませんが、不都合な無意識からは少し離れることができます。すると、無意識は安定した着地点を求めるようになります。
このようにして新しい局面に入ります。その状態が気に入らない場合は、再度同じ方法を試みます。最終的に自分にとってちょうど良い所へ落ち着けば、それで良いでしょう。よくある成功法のイメージが間違っている人は、五感でやってみてください。それでも足りない場合は元々あるネガティブ体験の意味を変えます。
このようにして、意識と無意識の調整を通じて、自分自身を変化させることができます。結局のところ、意識と無意識が望む形を理解し、不都合な理性を調整することで、達成感や満足感をより大きく得られるようになるのです。
幸せを求める人の本質は、生物の本能的なモノなので早々変わりません。ストレスを与え続ければ、破壊的な思いに支配されていきますが、そういったものは生まれや育ちである程度決まるように見えます。でも、変えることは自由です。