アイスコーヒー、あります
と、職場の炊事場付近のホワイトボードに書いておいて、冷蔵庫に自宅で作って持っていったアイスコーヒーを入れておく。
そんなことを最近やってます。
我が家のアイスコーヒーが美味しいのには理由があって、それは自家焙煎(煎りたて)で挽きたて(NCM2.0(ナイスカットミルで細度2.0))で水出し(滴下タイプ)だから。
腕の問題じゃない。
化学的に再現性のある美味しさなので、レシピに忠実、ただそれだけ。
ただし、水出しコーヒーは、抽出に時間がかかる。
それでも職場に持っていくのは、コーヒーは仕事以外の話をする時間を作るのにちょうどいいものだから、っていう理由がある(それ以外に「人気ものになるため」ってのもあるけど、前者対後者は8:2くらい)。
コーヒーが苦手な人ももちろんいるけど、全員が嫌いじゃないものを提供するとなると白米くらいしかなくなるので、休憩のお供としてはコーヒーはなかなか優秀なのである。
コーヒーは、多くの人が普段から飲んでいるものであるにも関わらず、美味しくする(美味しく飲む)tipsをあまり知らない人も多い。
だから、コーヒーを飲みながらちょっとしたtipsを伝えると、その気になるとすぐに家でも実践できる(はず)。
例えば、「家ではドリップバッグで飲んでるんです」っていう人には、「ドリップバッグは、蒸らし時間ゼロのほうが美味しいんです。夜中までかけて実験したうえでの結論です。やってみて」ってな具合の再現しやすいtipsを伝える。
再現しやすい、っていうのが大事で、あんまりすごいことを伝えても「すげーな」と崇められるだけで終了してしまう。
再現しやすい、ってことは、つまりハードルが低い、っていうことでもある。
今西錦司っていう登山家(のぼりやま家ではない)でもある文化人類学者は、山に登る理由を尋ねられると、「登ってみないと見えない景色があるから。登ってみると、次に登りたい山が見えるから」という趣旨の話をしたらしい。
登ってみたら更に登りたい山が見える、っていうのが大事で、あまりにも高すぎる山を見てもにわかには登りたいっていう欲求にはつながらないんだろうなぁ、と思う。
達人は、どうしても珠玉の奥義を披露したくなるものらしく、ほにゃららとは...と「とは語り」をしがち。(と、観察していて思う)
例えば、エアコンが冷える仕組みを説明しようとすると、「冷凍サイクルとは...」と原理を説明したくなるらしい。
そんなことより、殺虫剤とか制汗剤のようなスプレー缶を持たせて、シュワーっと吹き出したあとは缶が冷えるのを体感させて、それが冷凍サイクルの根っこの部分だ、っていうところから話を始めたほうが「冷凍サイクルを知りたい」っていう欲求を高められると思うんだが。(つまり、「スプレー缶が冷える」という小さな山に登ることで「冷凍サイクルを理解する」という大きな山に登れそうなイメージに繋がる可能性がある)
こういうマップを描くのって、とにかく面白い、頭の中で自由に飛び回れる感覚になるから、好き。