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【やまのぼ ブックレビュー No.29】「無花果の森」小池真理子・著<新潮社>を読んだ。
<やまのぼ>家は、ビンボーである。
それも結婚以来四十数年の筋金入りビンボーである。
現在も新聞は日経一紙しかとっていない。しかも、それも朝刊のみの購読で、夕刊も合わせ読みできるほど、経済的に余裕がないのだ。
しかるに本書は、十年ほど前の夕刊連載小説(2009/11/9~2010/12/14)だったそうだが知らなかった。でも、当時にライブで知らなくて、かえってよかったのかも…。
なぜならば、毎夕中断されるハナシの続きが気になり、多分イライラの日々を送っていたことだろう。
ひさしぶりに、かように、ワクワク、ドキドキする小説を読んだ。
卓越した著者の表現力あふれる筆致により、文句なし登場人物に、ドップリ感情移入できた。また的確な情景描写により、際限のない臨場感に浸らされるのである。
恥ずかしながら、泣き虫<やまのぼ>は、クライマックスにおいて、熱き感涙で、頬を濡らしてしまった。
そんなこんなで、
読み終えると同時に、カミさんに薦めると、「小池真理こォ~~~?ワタシ嫌い!あの人のは、官能表現が多いんだもの…」と冷たく一蹴された。
確かに、女性目線の若干過激気味な性愛描写に、同性は嫌悪感を抱くのかも知れない。が、男性にとって、その方面の<お勉強>になることが多く大歓迎である。
ところで、なぜ「無花果の森」なのか…。
それは、登場人物それぞれの生き方を象徴しているのだ。無花果の花は…。
いけない!ここでストップ!
これ以上明かすと、これから読んでみようとする読者に叱られてしまう。
<やまのぼ>のお薦め度 ★★★★☆
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<やまのぼ>のお薦め度規準
(独断と偏見です。あしからず)
★★★★★ 蔵書にして読み返したい
★★★★☆ 読みごたえありでお薦め
★★★☆☆ そこそこ読みごたえあり
★★☆☆☆ 時間つぶしにはなります
★☆☆☆☆ 本屋での立ち読みで充分
☆☆☆☆☆ 時間の無駄使いだけです