【超短編小説】細(その13)#140字小説
暮れなずむ西の空。煌めく光に心を奪われた。その細い銀色の糸に沿って兄の声が届く。何度も僕の名を呼ぶのだ。生前、兄がしきりに僕に逢いたかったわけを知りつつ。拒み続けた僕の頑なさを、いまだに責めたてる。その細い糸を断とうと藻掻く僕。和解できなかった兄の悔しさを断つ秘策が見つからない。
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暮れなずむ西の空。煌めく光に心を奪われた。その細い銀色の糸に沿って兄の声が届く。何度も僕の名を呼ぶのだ。生前、兄がしきりに僕に逢いたかったわけを知りつつ。拒み続けた僕の頑なさを、いまだに責めたてる。その細い糸を断とうと藻掻く僕。和解できなかった兄の悔しさを断つ秘策が見つからない。
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