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『子供たちの為に〜』っていい加減ウザいよ

「子供たちの為にイイコトしてますね!」

ボクはよくこういうことを言われる。でも僕自身は一度も言ったことないんだよな。「子ども達の為に」「子供の未来のために」なんて。そんなこと。

職業は遊び学者です!っていうと大抵の人が僕のことを子供たちを遊ばせる人だと思ってそういう言葉を投げかけてくる。

僕がイベントで川遊びをしたり、キャンプをしたり、親子サッカーをしたりするとそれらは全部「子どもたちの為」だと思われる。そんなこと一度も言った覚えはないのだけれど。。。

僕は遊び学者として日本をもっともっと遊び心に溢れた遊びやすい国にしたい。
※2024年バージョンの新しい価値フライヤーにもデカデカと書きました。

それをするためには子供を遊ばせてあげるより、大人を遊ばせる。遊び心を持った大人を増やす。遊びを阻害する社会構造や制度を変える。そういうことをやっていかないといけない。

だから僕は「子供を遊ばせるため」の人ではない。

そりゃ社会がもっと遊びやすくなれば子供も遊べるようになるから巡り巡ってそこに行き着くこともあるけど。

まぁ子供はよく遊ぶよ。何もせんでも。むしろ大人が子供を遊ばせようとすればするほど子供の遊びが減るなんてこともよくある話。大人より遥かに遊ぶのは上手いし、遊ぶ機会も豊富。子供向けの遊びの場や機会を提供してくれる人も山ほどいる。

大人の方が死活問題。大人は遊ばせようとしても遊んでくれない。遊び心より正しさや世の中の正解・普通にトコトン縛られる。そしてそれを我が子にも強要する。その感覚で子供を教育する。そしてその子が大人になる頃にはちゃんとまた遊べない大人が完成する。

それを変えていかないといけない。そのための遊び学なんだよ。遊び学という学問を当たり前にしてみんなが遊びについて真剣に考えるキッカケを作りたい。

遊ぶ場所も遊ぶ機会も作りたい。遊び心を育てるために教育も変えたい。遊びが制限されるような社会制度も変えたい。

全ては日本の遊び観を変えるため。つまり子供たちの為だけになんて1ミリも思ってないんよ。

でも本当に多くの人が僕のことを「子供を遊ばせてくれる人」だと思ってる。遊び=子供だと思ってる。

しょっちゅう言われすぎてもうウンザリだよ。お前に言ってるんだよ!

『なにか楽しいことをしよう!』
『遊ぼう!』
大人のあなたに言ってんだよ!

日本人の僕らは『公園』って聞いて誰のためのものだと考える?多くの人は公園は子どものためのものと思ってる。

でも海外の公園はたっくさんの大人が遊んでいる。

先日、外遊び関連のトークショーの仕事でコーンホールという遊びモノを体験ブースで出していた。

MCをしてくれたアメリカ人のボビーさんが「大学時代アメリカでメッチャやってた!」と何回も何回もコーンホールを投げにきた。

左上の木の台に向かってデカいお手玉みたいなものを投げる

参加者の子供と対決したりしてアメリカ人のボビーさんはコーンホールをたっぷり遊んだ。

でも子どもと一緒に来た親は誰一人として自分から「僕もやりたい!」としてこなかった。

てか、そもそもこの一番奥のブースに参加者を流す現場のスタッフさんも子供にしかコーンホールを紹介しない。大人だけの人には「コーンホールしませんか?」と声をかけない。

アメリカ人のボビーさんはイベントMCという仕事があるのに本番中じゃなくてもガンガン投げまくるのに。

この現実を少しずつ変えていくために遊び学者がいる。

僕の仕事は『子供を遊ばせること』ではない。

僕の仕事は『大人がみんなが遊びやすい社会を作ること』だ。

次、「子供の為に凄いですねー!」なんて言ってみろ?

コーンホール100回投げさせるから覚悟しとけよ。

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原田 光
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