建築おすすめ本(建築家編)
こんにちは、Akiです。
建築好き通訳ガイドの視点から、建物の魅力について紹介しています。
今回は、日本の建築家について書かれた「おすすめ本」をご紹介します。
1人の建築家について深く掘り下げたものではなく、多くの建築家を網羅的に知ることができる本です。
有名な建築は、その建物を設計した建築家の名前とともに紹介されることが多いですよね。
建築家の考え方や仕事の流儀など、その人物像を知っておくと、また違った建物の見方ができて、より深い鑑賞体験が得られることと思います。
通訳ガイドにとっても、日本の有名な建築家のことは、ぜひ知っておきたい知識です。
「日本の建築家解剖図鑑」(エクスナレッジ)
日本で建築家が誕生した明治時代から昭和(戦後)まで、有名な日本人建築家63人を紹介した本です。(現代建築家は含まれていません)
見開き2ページで、1人の建築家とその代表的な建物について、イラストを用いてわかりやすく解説しています。
建築家については文章での紹介のほか、経歴、師弟関係などの人物相関図が掲載されています。代表的な建物については、建築家の紹介よりも紙面を使い、複数のイラストで解説されていて、建物の図鑑としても楽しめます。
有名な建築家は、ほぼ網羅されているのではないかと思えるくらい、カバー率は高いです。
お目当ての建築家について広く浅く、そして手早く知ることができ、辞典のような使い方もできる本です。
なお出版社のエクスナレッジからは、姉妹本ともいえる「世界の建築家 解剖図鑑」という本も出ています。
こちらもイラスを多く使い、わかりやすく解説されていますので、日本人以外の建築家について知りたい方には、入門編としておすすめできる本です。
「日本の建築家はなぜ世界で愛されるのか」(PHP研究所)
世界で高い評価を得ている、現代の日本人建築家について紹介した本です。
国立代々木競技場の設計で、丹下健三が日本人として初めて世界的な評価・知名度を得て以降、日本人建築家の活躍の場は世界に広がり、近年では建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を日本人建築家が受賞することが多くなっています。
この本では、丹下健三に学んだ槇文彦、谷口吉生、黒川紀章、磯崎新から、それに続く安藤忠雄、伊東豊雄、SANAA、隈研吾など、さらに若手の藤本壮介、石上純也、田根剛などの建築家を、世代毎にその時代背景、経歴、特徴などを紹介しながら、彼らの建築がなぜ世界で高い評価を得ているのかを解説しています。
また、時代の流れに沿って解説が展開していくので、日本の現代建築史の流れも大まかに知ることができます。
建築の専門的な知識がなくても十分に楽しめる本です。
「日本の近代建築〈上〉幕末・明治篇〈下〉大正・昭和篇」(岩波新書)
この本は建築家にフォーカスした本ではなく、日本の近代建築史をテーマにした本です。
その日本近代建築史が語られる中で、重要な役割を果たした建築家が、日本人・外国人を問わず登場します。
江戸時代末期の開国とともに、日本に入ってきた西洋館に始まる日本の近代建築の変遷が、時代を追って詳しく解説されています。描かれている時代は昭和の終戦前後の初期モダニズムまでです。
一般向けにはやや難しい内容で、ページ数も上下合わせて500ページくらいあり、かなり読み応えはありますが、優れた知見が散りばめられた良書です。
本書をじっくりと読むことで、日本の近代建築史と重要な役割を果たした建築家たちについて、理解を深めることができると思います。
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以前、建築を見て楽しむために役に立つ、「建築おすすめ本(入門編)」という記事を書いています。よろしければそちらもご覧ください。
この記事で紹介した本は、いずれもイラストや写真をたくさん使い、わかりやすく建築の見方・楽しみ方を解説しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! これからもご愛読いただけると嬉しいです!