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君たちはどう生きるか 人と出会うこと、旅を歩むこと

宣伝なしのジブリ最新作が公開される

話題になっていたのが数ヶ月前

公開後、「宣伝なし」なんだからネタバレはなしだな、ということでなるべく情報に触れないように注意しながら過ごすも、1件のTiKToK動画を視聴

観る前「楽しみだね」
観た後「(、、、しばし放心、、、)とりあえずカフェ行こっか」

画一的な感想じゃないことがわかって、映画視聴を決意


結果、素晴らしい作品に出会えたことに心から感動しました

この感動を噛みしめるために、この文章を綴ります


人と出会うこと


キリコが気づいてくれた瞬間に涙が出て止まらなかった

「誰かが門を開けた」

押し流されているとき、気づいて救ってくれた

追い払ってくれた

「行ってらっしゃい」

見送ってくれた

帰る場所があるって、有り難いことなんだな

キリコは今日も明日も、ずっと生きていてくれる

私にも帰る場所ができたんだ

大丈夫。

ヒミ

奪うものと闘っていた

自分の力が制限されることをわかっていた

世界が崩壊することも、わかっていた

だけど眞人と一緒に進んでいった

夏子

「お母さん」と呼んで

夏子は母になった

母は子に呼ばれるのだ

旅立ちの前、母の死に苛まれていた

だけど、受け入れることになった

結果、眞人は母に出会った

旅立つ前と違う人物だったけど、

一緒に生きていく人と出会った

王様

王様になったからといって

世界を作る役目は担えない

彼は彼の使命を全うしていたから、美しかったんだ

大衆のために、リーダーは必要なんだ

ワールドカップのときだけ日本を応援している風景を思い出していた

執拗にはしごを砕く描写に、社会の縮図を見た

しがみついていかなきゃ、お姫様は救えない

大祖父様

宮﨑さんが、「次の後継者へ席を譲ること」を表現したシーンだったと思う

美しい崩壊だった

勇退、きっと身を裂く想いもあるんだと思う

だけどそれを堂々と描き切る姿勢に

ただただ敬意に付すしかなかった

今年、坂本龍一さんや、高橋幸宏さんが亡くなったことを想っていた

汗をかきながら石を組み立てているときの姿に、

こんなに年も経験も重ねた方なのに、

使命に向きあうことはこんなにも大変なことなんだとわかり、

私も必死に仕事をしなくちゃ、と思う

そんな自分を誇らしく思っていいんだ

自分の使命と出会うこと


眞人は旅に出た

いつだって自分の心に従って進んでいた

いくつもの幻、私も一目見てわかった

金色に輝く門

「我を知るものは死す」

そこは罠だったんだ


アオサギの声で、トラウマが蘇る

「助けて」

「母さん、母さん」

「お待ちしていますよ」

アオサギは煽っていた

大量のかえる

俯瞰して見ていれば、明らかにおかしい

だけど眞人は進んだ

「自分の目で、体験で、確かめるために」

触らなければよかったのに

眞人は、母は死んだ、と聞かされて、そう思っていた

母の声を聴いていた

まわりの人には聴こえない

母が彼だけに呼びかける声を聴いていた

そこへ進んでいたから、迷わなかったんだ

父さんの好きな人

旅立つ前、

「人間のよくやるやり方だ」と言った

眞人は「友達を探す」と言って地獄へ戻っていった

私にもこの世界に友達はいるはずなんだ

出会うのが怖いだけ、失うのが怖いだけ、失望されるのが怖いだけ

若い人の方が真理をついているんじゃないかと思うことが多々ある

情熱を持って入社してきた人がいた

社会人としての能力はなかった

だから私も、会社も、受け入れることはできなかった

こんな風にして、時代に置いていかれるんだろうと思う

急に変えていくのは違うんだとも思う

色んな世界に跨る塔は、この世にも存在するはずだ

P.S. 情熱大陸 鈴木敏人

自宅に帰ってきてから、YouToubeで観た

https://youtu.be/UOehI3CSMQ8

掃除好きで、仕事と掃除は似ていると言っていた

秘密基地で仕事をするスタイルがかっこいいなあと思う

合理的でありながら、真理を信じる直感がある

「風立ちぬ」から10年

制作から公開まで

「君たちはどう生きるか」

という作品を、スタッフを、公開後の未来を、自分を

信じて貫いてこられたから、

いま私や多くの人がこの感動に出会えたんだと思う

アオサギがゆっくり森の中へ飛んでいくシーン

どこを欠いても成立しなかった作品を守り通した

本当に素晴らしい方だと思います

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