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仏教では、「決して避けられない」
どんな時代でも、どこの国でも、人間である限り避けられない。
人生の苦しみ8つあるとお釈迦様が教えられています。

前回も書きましたが、人生の苦しみを大きく4つに分けたもの『四苦』
「生苦」「老苦」「病苦」「死苦」の4つ
そして、『四苦』4つ加えたものが『八苦』と言います。
「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五陰盛苦」の8つ
『四苦八苦』と言いますが、4+8で12ある訳でなく全部で8つです。

今回は、「生苦」「老苦」「病苦」「死苦」について書きたいと思います。

①. 生苦 (しょうく) 生きる苦しみ
「苦は色変わり」と言われるように、1つ苦しみを乗り越えても、すぐ次の苦難に襲われます。
受験、就活、出世、結婚、経済的な問題など・・・ 悩みは尽きません。
学校でも、職場でも、家庭でも、人間関係の苦しみは尽きません。
思い通りにならず、怒りの心がこみ上げても、感情をあらわにすると人間関係に亀裂が入る。
頭に来ても、グッと怒りを抑えて、顔では笑っていなければなりません。
この私達が生きている世界を、仏教では「娑婆 (しゃば) 世界」と言われてます。
「娑婆」は、中国語では「堪忍土 (かんにんど) 」と訳されます。
「堪忍土」とは、「常に耐え忍んで生きていかなければならない世界」という意味です。
生きるためには、毎日辛くても仕事をしなくてはなりませんし、苦手な人とも付き合っていかなければなりません。
やりたくない事もしなければならない事も多いでしょう。
先の人間関係を保つために、怒りたくても怒れないし、笑いたくなくても笑わないといけない・・・
そのように、生きるためには色々な苦しみも乗り越えなければならない。
「生きる」とは、苦しみの連続ではないでしょうか?

②. 老苦 (ろうく) 老いる苦しみ
悲しい事ですが、人間は1日1日、老いていきます。
20代の頃、何ともなかった徹夜が今は身体に大打撃!
颯爽と登れていた階段も、今は息切れしながら登っている。
お腹まわりの脂肪は増え、髪の毛は減っていくし、化粧のノリも良くない・・・
「30歳を超えると妙に老いを感じるようになった」という声さえもよく聞きます。
キレイな女性ほど、老いるのが怖いともよく言われます。
しかし、老いを止める事は、重力に抵抗するより不可能な事です。
いずれは腰が曲がり、歯は抜け、歩けなくなり、身の回りの事も手伝ってもらわなければ生きられなくなる時が必ず来ます。
この「老苦」も万人共通の苦しみなのです。

③. 病苦 (びょうく) 病気の苦しみ
WHOが発表している病気の種類は、約2万種類と言われています。
原因不明のものも多く、突然に発症し、毎日を泣いて過ごしている方もいらっしゃいます。
最近は、20~30代の脳梗塞や心筋梗塞も増えていると言われています。
「病気は年とってからなるもの」と言えなくなってきました。
「病」は、「やまいだれ」に「丙」と書きます。
「病」にかかった人は、それが頭痛であろうと腹痛であろうと、「自分の病が一番苦しい」と思います。
「大したことない!」という病でも、当人からしたら辛くて仕方ないのです。
どの病が苦しいのか、「甲乙つけがたい」ので、「丙」という字が使われたそうです。
「病苦」も、遅かれ早かれどんな人にもやってくる苦しみの1つなのです。

④. 死苦 (しく) 死の苦しみ
死を自覚すると、今まで必死でかき集めてきたお金も名誉も地位も何の役にも立ちません。
一切が光を失い、「自分の人生は何だったんだろう」生きる意味が分からない苦しみが起きてきます。
これを「スピリチュアル・ペイン」と言われます。
肉体の痛みは、薬である程度なんとかなりますが、「スピリチュアル・ペイン」は、医学では打つ手がありません。
愛する人とも永遠に別れ、自分がこの世に存在しなくなります。
死んだらどうなるかという途方もない「恐怖」が起きてきます。
遅かれ早かれ、死は誰にでも訪れますから、死は100% 確実な未来なのです。

残りの「八苦」ついては、次回の投稿で書きたいと思います。

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