健康第一
いつも通り転けただけだと思ったが、その瞬間はやってきてしまった。
先日、知人とスノボに行った。まだ食堂で1回しか喋ったことしかない彼を友人と紹介するには、まだ早い。
お昼に集合し、前半は5本くらい滑った。リフトに乗る間ずっと互いに自己紹介やスノボについて話した。少しずつ友人に近づいてきたのではないだろうか。お昼ご飯は彼の提案でピザを食べた。
事件はピザを食べた直後だった。
いつも通りバランスを崩して前から転けた。手を着くと左腕がぐにゃりと変な方向にいくのが見えた。それと同時に今まで味わったことのない痛みを左腕に感じた。痛みに耐えられず、自力で起き上がることもできなかった。脳内は痛いしか考えられないほど、とにかく痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
まだ知人以上友人未満の関係なのに、彼は痛いしか発さない私のスノボの板を外して外側に移動させてくれた。パトロールを呼んできて欲しいとお願いした。痛みに耐えながらパトロールを待つ時間がとてつもなく長く感じた。座ってるだけなのに痛い。先程までは、雪で真っ白になった壮大な山々に囲まれた景色を見てはしゃいで写真を撮っていたが、その時はその景色を見る余裕もなく目を瞑り、ただひたすらに痛みに耐えるしかなかった。(まだ元気だった時に撮っていた写真が今回の見出し画像だ。)
間もなくしてパトロールのスノーバイクが到着した。その日は私たちは広い傾斜のコースではなく、くねくねと細いコースを滑っていた。(私はマリオカートコースと呼んでいる。)そのマリオカートコースの雪道を走るバイクが振動する度に私の左手に激痛が走った。
そのまま軽い処置をしてもらい、彼も病院へ付き添ってくれることになった。右手しか使えない私の身支度を手伝い、荷物も持ってくれた。彼は知人から友人を通り越し、私の恩人となった。
怪我は脱臼だった。
人生で初めての大きな怪我だった。3週間はギプス生活で3週間目から治り始め、6週間で完治するらしい。今はギプス生活2週目だが、不便ながらもなんとかルームメイトに手伝ってもらいながら生活することができている。
今回の脱臼で、いつも健康でいたことへの有難みを感じることができた。困ってる人がいれば積極的に手伝おうと心に誓った。
こんな痛い思いはもうしたくない。健康第一を痛感した冬でした。
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