「組織活性化」についてツラツラ書いたみた②
前回、どんなときに組織活性化がハイライトされるかという一般論を並べてみました。今回は、その課題が見えるキッカケという部分にスポットを当ててみてみたいと思います。
はじまりとして頻度高く見られるのは、職場の雰囲気が悪い、風通しが悪いといったことが主に現場の声としてあがり、そこから「職場の風通しをよくしよう!」と立ち上がった有志が小さな一歩を踏み出すことから始まります。
で、そのときによく出てくるのが以下の有名な「成功循環モデル(Byダニエル・キム)」です。
そして、循環モデルの根っこは「関係の質」だ!そこを突き詰めるとGoogleから出てきた【心理的安全性】が大切だ!って繋がっていきます。
ただ、この「心理的安全性」という言葉、なかなか曲者です。上下関係が役割の違いとしての認識であって、なんでもお互いに言い合える関係性であることを目指すんだと思います。しかし、それはぬるま湯の仲良しこよしになることではないってことに気を付けなければいけません。
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/10487
飲み会を開いて不平不満をさらしあったり、言いたいこと言って次につながらない、単なるカタルシスの場に終わったり、下手をすると、本音を言い合って傷つけあうだけの場になってしまうことは「風通しが良い」「心理的安全性の保たれた」職場にはならないところがポイントです。
最近のドラマだと、「私の家政夫ナギサさん」に出てくる天保山製薬の職場は、それぞれが前向きで、職場が個人のチャレンジを支援し、失敗しても次のチャンスが認められる点でとても【心理的安全性】に満ちた例ではないかと思います。対照的に、ドラマ半沢直樹で出てくるのは、ライバルを支援するどころか足を引っ張りあい、失敗すれば「誰の責任だ!」とののしりあう、一度失敗したら出向・左遷が待ち受ける目先の人参や恐怖に縛られたサイクルであり、【心理的安全性】がある状態にはほど遠いのだと思います。
話は戻りますが、現場から始まる【風通しの良い職場】を目指す動きは、ともすると最初は「もっと仲良く」から始まるんだと思います。
その非公式な、小さな活動を「そんな甘いこと言ってんじゃねぇ」「それって、会社の利益にどう繋がるの?数値化してよ」っていう視点でしか見ることのできない経営者はすでにその方がその風通しの悪い元凶になっていることが多いことが多いと思います。
センスの良い経営者は、その活動を反発的に見るのではなく、現場でその声が表出しているころにはすでに見えないところでもっと大きな問題がうごめいているかもしれないという視点で見ていくことが、その組織のマネジメントや経営幹部に求められることではないかと思います。
なので、現場で「風通しが悪い」と言う声が出だすことには、すでにもっと大きな組織的な課題があるということになります。
優れた経営者は、その活動を非公式活動として推進し、現場に渦巻いている声をうまく吸い上げ、公式な課題として認識していくのだと思います。
そーすると、第一稿で記載したそれぞれの組織の課題が見えて、目的を持った組織活性化につながっていくのだと思うのです。
つづく
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