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雑記など

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あたたかい日常
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#エッセイ

シザーハンズ通信。かしこ

シザーハンズ通信。かしこ

家に帰ってきたら、右手が使い物にならなくなっていた。怪我ではない。使い物にならないだけ。お箸が持てないしコンタクトも取れない。というわけで、左手でご飯食べて左手で歯磨きして左手でコンタクトを取った。めちゃ不便。ついでにこの文章も左手で打っている。さながらシザーハンズ的な気分になっているけども、シザーハンズは片手がある意味便利なことになってるのでアレは違うのかな。でもお箸持てないのもコンタクト取れな

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親子だからって分かり合わなくてもいい

親に本音で話すことが滅多に無い。「イチゴ味が好き」とか「寒い」とかは言える。でも、好きな映画や好きな曲の時点でもう言えるか怪しい。自分の人格や思考の部分を極力見せないように生活しているのだと思う。何故なら、私の人格や思考は親のそれとは全く違う、むしろ真逆みたいなものなので本音を出せばぶつかり合うからだ。しかも私のお家の場合ぶつかり合っても良い方向に進まない。異なる意見を交わしてぶつかりながらも互い

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善意とか宗教とか精神とか、いろいろ

ピンポンの幻聴が聞こえた時期があった。何時でも幻のピンポンが鳴る。午前3時にピンポンで飛び起きる。ピンポンが聞こえたところで実際ドアを開けて確認することは無かったので本当は幻聴では無かったかもしれないけれど、現実にせよ幻にせよ少し怖い体験ではあった。当時私は会社を休職しており、頻繁に訪ねてくる上司を、というかその訪問の突然さを恐れていた。事前連絡なしに突然上司はやってくる。夜来ることもあれば朝の8

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リセットボタン押してあげる

リセットボタン押してあげる

小さい頃、小さなパックマンのゲーム機を引っくり返すと爪楊枝で刺さなければ届かないような「リセットボタン」があった。たしかたまごっちにもあったし、シナモンとお喋り携帯にもあったと思う。ボタンを押せばこれまでの楽しかったボクたちの思い出は一切合切無くなりますよ、さよなら~というものだ。リセットボタンを押すと、彼らの記憶が消えてしまう。消えるのは、悲しくて寂しい。でも、時々えいやっと押したくなってしまう

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遠くの方にある記憶

記憶の亡霊めいたものに出くわす。
たくさん、たくさん、記憶が突然現れてびっくりする。記憶の亡霊は脈絡なくやってくる。花を見ると花の記憶が降ってくる、ということもあるが、ベッドで黙っていたってご飯を食べていたって本を読んでいたって、来るときは来るのだ。記憶の亡霊は敵ではない。かといって、全く心が動かされないでもないのでちと困る。

思い出、と言うにはあまりに鮮烈であまりに…消化しきれていないようなも

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家出て5分で職質された話

家出て5分で職質された話

火傷をした。
私が会社員の頃だった。私の会社は制服で通わねばならず、可愛いんだか何だかよく分からないピンク色のリボン付きシャツは1人2枚ずつしか支給されず、そのため毎日仕事から帰ってきたらとにかく洗濯機を回さねば間に合わなかった。その忌まわしい半乾きの制服をアイロンで無理矢理乾かしていた時に、うっかり指に最高温度のアイロンを当ててしまった。

そこそこ痛かった。水で冷やしても普通に痛かった。水ぶく

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