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【映画鑑賞】若さと誘惑、禁断の恋の罪深さ【美しい絵の崩壊】

海外の若い男の子って、
なんであんなにカッコいいんでしょうか。特に欧米系の 20代の青年なんて、「神々しい」って表現がピッタリ。母親が息子のことを絶賛するほど、彼らの魅力には誰だって惹かれる。アジア系やアフリカ系の青年も素敵だけど、やっぱり白人系の青年には独特の魅力がある。

この映画に登場するトムとイアン、
私は断然イアン派。ブロンドの髪とそのハンサムな顔でニコッと微笑まれたら、落ちない人なんていないでしょう。親友の息子という立場でも、あんな魅力的な男子から誘われたら、いけないと思いつつも、惹かれてしまうのは仕方がない。ある意味、罪な男。そんな彼なら、浮気してしまうのもわかる。「とりあえずヤってしまって、後のことは後で考えればいい」なんて、甘い時間を過ごしたいという気持ちになるのも無理はない。

イアンはずっと彼女に惹かれていたし、
心から「愛している」と告白していた。それだけ本気だったんだろう。でも、トムの方は違った。彼には恋愛感情なんてなく、ただ「親友が母親とヤった」という事実を知ったことで、負けず嫌いというか、腹いせのような気持ちで自分も手を出したんじゃないかと思う。恋愛感情なんてなくて、ただ行為を楽しむためだけに関係を続けていたんだろう。

イアンとは違って、
トムからは「愛している」という言葉が一切出なかった。それが彼の本気度の違いを物語っていると思う。もし魅力的な若い女性が現れたら、いつでもそちらに乗り換えるだろうし、熟女ならではの魅力を味わいたくて、こっそり続けていただけなんじゃないかと思う。

イアンは、一途な気持ちを持ち続けていた。
彼が愛していたのは、親友の母親という、まさに「禁断の恋」だったけれど、それでも彼は真剣だった。好きな相手と一緒にいたい、他の女性には全く興味がないという純粋な思い。彼にとってその恋は、ただの欲望や一時的な感情ではなく、深く根付いた愛情だった。

しかし、そんな彼に対して、
「このままじゃダメだ」という現実的な判断を下したのは、母親たちの大人な意見だった。彼らにとっては、この関係が続けば自分たちの生活にも、彼自身の将来にも悪影響が出ることは明らかだったのかもしれない。社会的な常識や年齢差など、いろいろな理由があったんだろう。でも、彼にとっては「現実」なんてどうでもよかった。彼はただ好きな相手と一緒にいたい、それだけだったのに、大人たちの判断によってその恋を強制的に終わらされてしまった。

それでもイアンは、
彼女への思いを簡単には忘れられなかった。渋々付き合った新しい彼女は、イアンにとって「気が合う」存在ではあったかもしれないけれど、心から愛せる相手ではなかった。実際、彼はその女性との関係を続けることに疑問を感じ、別れようと考え始めていた。しかし、その矢先に「妊娠」が発覚する。予想もしていなかった出来事が、彼を追い詰め、結果的に結婚することになってしまう。

彼は自分の一途な愛が潰されたことをずっと根に持っていた。
彼の心の中では、ずっとその女性への未練が消えることはなかった。結婚しても、家庭を持っても、どこかで「本当に愛していた人」との関係が終わってしまったことに対する喪失感は、消えなかったはずだ。

さらに辛いのは、
彼女とは今でも「会える距離」にいること。物理的には近くにいるのに、肌に触れることができない。かつては彼女と親密な時間を共有できたのに、今では手を伸ばすことすら許されない。その距離感は、イアンにとって本当に苦しいものだっただろう。彼の心には、常に「愛しているのに届かない」という感情が渦巻いていたに違いない。

そして、その感情は月日が経つにつれて、
さらに深まっていったのではないかと思う。愛していた相手がすぐそばにいるのに、自分は別の人生を歩まざるを得ないという現実。しかも、その現実は「大人たち」によって押し付けられたものであり、彼自身の選択ではなかったことが、より一層彼を苦しめたんじゃないだろうか。

しかも、トムは裏でその関係を続けていた。
イアンは好きな人と会えても触れることができない苦しさを抱えていたのに、トムはその背後でコソコソと浮気を続けていたんだから、そりゃあ怒り狂うのも無理はない。妥協して結婚しても、心から楽しめるわけがない。彼がずっと心に抱えていた「禁断の恋」が絶たれたのに対して、トムは遊び感覚で続けていたのだから、これは本当に不公平な話だ。

結局、どこまでいってもイアンが可哀想でならない。
彼の人生は、他の誰かの判断によって大きく方向転換させられてしまった。その結果、彼は自分の愛を抑え込み、別の女性と結婚し、家庭を築くことになった。彼の苦しみは、若さゆえの純粋な愛情が、どうにもならない現実の前で壊れていく姿に重なる。この映画のテーマは、愛と誘惑、そして罪深さの絡み合い。その中で、一番の犠牲者は、やはり彼だったんじゃないかと思う。

お互いの息子と関係があったことを知っても、
母親たちが絶縁するわけではなく、むしろ秘密を共有することで関係が深まっていくところが面白い。普通なら、こういう状況になったら関係が壊れてもおかしくないけれど、この映画では逆に、秘密が絆を強くするという展開が珍しいし、面白いと感じた。

Adoration / 2013


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