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映画感想 #155『ヌルボムガーデン』

『ヌルボムガーデン』を観ました。

監督、脚本:ク・テジン
出演:チョ・ユニ、キム・ジュリョン、ホ・ドンウォン、他

ソヒは夫チャンスと幸せな新婚生活を送っていたが、ある日突然チャンスが自ら命を絶ち、ソヒもショックのあまり流産してしまう。悲しみに暮れるソヒは、チャンスが生前に購入していた郊外の邸宅・ヌルボムガーデンを相続することに。姉ヘランの反対を押し切ってその家に引っ越すソヒだったが、奇妙な出来事が続発。ある夜、家の中で亡き夫の姿を目撃したソヒは、彼が自殺に追い込まれた理由を探りはじめる。地元の女子高校生ヒョンジュが事情を知っていると確信したソヒは、数カ月前に失踪した彼女の行方を追うが……。
(映画.comより)

https://eiga.com/movie/102878/

韓国に実在する心霊スポットを元にしたホラーということで、着想としては『コンジアム』と似たようなものなんですが、こちらは舞台が一戸建ての民家。なので、話の展開的には韓国版の『死霊館』みたいな感じです。
死霊館と違うのは、こっちにはウォーレン夫妻(に相当する人達)が出てこないってことくらい。

「呪いの館」系のホラーとして怖いのは不良たちがヌルボムガーデンに逃げ込んだ”誰か”を探しにやってきた冒頭のシークエンスと、ソヒが引っ越してきてからしばらくの間、亡くなった夫の幻を見たり悪夢にうなされたりする間までで、その後はどちらかというとミステリー的な謎解きパート、要するになぜ夫は自殺したのか、この家で起きていることは何なのかを探る展開になっていく。

そうなってからのホラー担当は冒頭に登場した不良たちが再登場して引き継いでいくことになるわけなんですが、彼らにとりついている悪霊が彼らを殺すやり方がバイクのコントロールを奪って事故らせるとか傘を口から突っ込むとか、かなり物理的なんですよね。ソヒに対しては幻覚見せたり悪夢見せたりっていう精神をすり減らしていくやり方だったのとは打って変わって。ここらへんのテイストも前半と後半で微妙に変わるのが奇妙。

ただ、オチ、というか夫の自殺の真相は明かされると「そんなのアリかよ!?」というある意味衝撃的なものでしたね……映画のクライマックス近くになってからあそこまで好感度を急降下させるキャラクターもかなり珍しいと思う。
真相がああいうことだった、って時点でソヒと悪霊(一応伏せておきます)には対決する理由が正直そんなになくなっちゃったので、最後がああいう形になったのも個人的には納得というか「お前らはそれでいい!」ってなっちゃったというか……

あとは最近の韓国ホラーですっかりお馴染みになった感のある民間の霊媒師的な人。今作にも除霊に一家言ありそうなおじさんが出てきますけど、彼が結局何をしたかったのかがいまいちよく分からなくて……
結界を張った部屋に娘を監禁してたのは恐らくヌルボムガーデンに入ったことで悪霊にとりつかれてしまった娘を助けるためなんでしょうけど、その割にはご飯を犬の餌みたいに乱雑に与えたりしてたのはなんでなん……?

とまあ上手く飲み込めないところもないではなかったですけど、90分ちょっとでサクッと観られて変に間延びするようなところもなかったし、音、特に何かが軋む音の嫌~な使い方とかは冴えてると感じるシーンも多かったので結果的にはまあまあ満足できたかと思います。

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