観た映画の感想 #110『恋するプリテンダー』
『恋するプリテンダー』を観ました。
僕が意識的に映画を観るようになった子供の頃ってキャメロン・ディアスとかジュリア・ロバーツとかサンドラ・ブロックとかが売れに売れてた頃で、要するにハリウッド製のラブコメがめちゃくちゃ流行ってる時代だったんですね。なのでこの手のジャンルは個人的な映画原体験の一つとして今でも好きだったりします。血なまぐさい映画ばっかり観てるわけじゃないよ
で、今作。
久しくこういうラブコメ観てなかったけど、やっぱり良いなあ~~!
こういう映画はいつの時代もいくつあっても良いと思いますよ。
冒頭、ビーとベンの出会いのシーン。
トイレで蛇口をひねりすぎてジーンズがびしょ濡れになってしまったビーが、お漏らししちゃったと勘違いされないようジェットタオルに腰を近づけて必死に乾かそうとするくだりがあるんですけど、その絵面のバカバカしさがもう完全に”あの頃”のラブコメ映画の手つきなんですよね。始まってから10分も経たずに「あーこういう映画いっぱい観たなー!」って。
飛行機で座席に挟まった服を引き抜こうとして何やら怪しげな動きになっちゃったり、仲が良いフリをアピールするためにお互いのお尻を触り合ったり(なんでや)とか、コメディ要素の少なからぬ部分をしょーもない下ネタで担ってるのも往年のラブコメの手つきなんですけど、それが下品になりすぎないところも良かった。最近観た映画だとシティーハンターもそうだったけど、昔のノリそのまんまだと今観るのはちょっとキツい、でも無難にしすぎてもそのジャンルなり作品が持つ魅力を損ねる……みたいな描写を、ちょうど上手いところでまとめるバランス感覚がすごく絶妙だったんですよね。
今っぽいと言えば、結婚式の主役であるハリーとクローディアがどちらも女性で同性婚だけど、同性カップルにつきまといがちな悩みごとみたいなものは一切なくて、本人たちも家族同士もずっと仲が良い。
ベンの親友でクローディアの兄であるピートも、母親はシングルマザーで自分を生み育ててくれた実の親(黒人)・今の父親は母の再婚相手(白人)・クローディアは再婚後に生まれた異父妹・ってラブコメにしては家族関係が結構入り組んでると思うんですけど、ここにもわだかまりとかは一切なくて家族みんな仲が良い。
単純にこの映画ではそういうことはテーマじゃないからフォーカスを合わせてない、っていうのもあるとは思うんですけど、むしろそういうことが当たり前のこととして在るっていう描写になってるのが今のラブコメらしいというか。
キャストもみんな可愛くて良かったんですけど、やっぱり主役の2人が抜群に良かったです。ラブコメって応援したくなる主人公じゃないとダメだと思うんですけど、ビーもベンもずっと可愛かった。トップガンマーヴェリックを観た時にも思ったことですけど、グレン・パウエルはたぶん今ハリウッドで一番ニヤッていう笑い方が似合う。あと裸が綺麗。今作の下ネタが下品になりすぎてないのはそのお陰もかなりあると思いますね。
エンドロールのキャスト全員『unwritten』合唱もめちゃくちゃハッピーで良かったし、肩ひじ張らずにサクッと観られてあーおもしろかったー! って気持ちで劇場を後にできる、こういうタイプの映画を映画館で観られるって今なかなか無いと思うんで、観られるうちに行っておくと良いですよ。
いや本当にオススメ!
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