観た映画の感想 #104『オーメン ザ・ファースト』
『オーメン ザ・ファースト』を観ました。
正直に言うと、蛇足になってるんじゃないかなーと思っててそこまで期待してなかったんですが、ところがどうしてなかなか良かったです。それどころか「あとから作られた前日譚」系の映画としても個人的にはかなり好みの一作。
オリジナル1作目の『オーメン』の怖さってダミアンが本当に悪魔の子なのかとかそもそも悪魔がいるのかっていうスーパーナチュラルなことよりも「みんな信じられないし言ってることわけ分からんしなんならおかしくなってるのは俺のほうなのか……?!」っていう徹底的に疑心暗鬼に陥っていくところにあると思ってて、今作はそこがすごく大事にされてたなっていうのがこの映画を好きなところ。「ダミアンの母親がこの人なら1作目で母親の墓に入ってた山犬の骨なんだったん?」とか「ブレナン神父ってダミアン出産の場に居合わせてたんじゃなかったっけ?」とか、細かい設定の変更はいくつかありましたけど、それも実はそこまで気にならなかったです。
あとは「宗教という檻」「信仰という呪い」の不気味さもバッチバチに決まってましたね。主な舞台になってる孤児院、絶対に何かよからぬことをやってるって一目で分かる演出の数々でしたもん。
映画が始まった瞬間の、霧がかかった街のショットとか、全体的に70年代のフィルムっぽい質感含めて1作目へのオマージュを捧げつつ、「邪悪なモノの誕生まで」を描いた他のホラー作品っぽさもあってそれも楽しかったですね。特に『ローズマリーの赤ちゃん』と『ヘレディタリー 継承』っぽさあるなーと思いました。映画で描かれてる物語が始まるずっと前から全てが計画されていて、実は主人公もその通りに動かされていただけだったっていう展開の仕方とか、「ずっと親切にしてくれてたお前も最初から……!」っていう寄る辺なさはすごくヘレディタリー(というかアリ・アスター作品)っぽい。
オチはちょっと予想外でしたけど、案外さらなる続編も作れそうかなーと。ダミアンは最終的に世界を支配するかもしれないみたいなところまでいっちゃうのがオリジナルの3部作で描かれてはいるんで、ダミアン軍対マーガレット(というかもう一人のアレ)軍でバトルみたいな……だめ?
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