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観た映画の感想 #117『フォールガイ』
『フォールガイ』を観ました。
![](https://assets.st-note.com/img/1723812673102-tFvyYdHqRl.jpg?width=1200)
脚本:ドリュー・ピアース
出演:ライアン・ゴズリング、エミリー・ブラント、ウィンストン・デューク、アーロン・テイラー=ジョンソン、ハンナ・ワディンガム、テリーサ・パーマー、ステファニー・スー、他
大怪我を負い一線から退いていたスタントマンのコルトは、復帰作となるハリウッド映画の撮影現場で、監督を務める元恋人ジョディと再会する。そんな中、長年にわたりコルトがスタントダブルを請け負ってきた因縁の主演俳優トム・ライダーが失踪。ジョディとの復縁と一流スタントマンとしてのキャリア復活を狙うコルトはトムの行方を追うが、思わぬ事件に巻き込まれてしまう。
(映画.comより)
予告を見た時からすごく楽しみにしてた映画なんですけど、期待してた通りめちゃくちゃ面白かったです。『ツイスターズ』も割とそうだったんですけど、良い意味でひと昔前っぽい雰囲気のスター映画って感じがあって。昔ながらのポップコーンムービーをちゃんと今の映像技術でアップデートしたような映画が最近多くて、その辺の時代で映画を観るようになった世代としては懐かしくもあり嬉しい限り。
劇中でライアン・ゴズリングが演じる主人公のコルトってスタントの技術は高いし周りの仕事仲間からの信頼も厚いけど、スタントしてるほうの主演俳優とかプロデューサーからの扱いは軽かったり侮られたりしてて。デヴィッド・リーチ監督もスタントマン出身だってことを考えると、コルトが劇中で受けてた”舐められ”ってまさに監督自身や監督の仲間達が受けてきたものなんじゃないかなあと思うんですよね。実際コルトもアーロン・テイラー=ジョンソン演じるトムに「俺(俳優)のブランドが大事でお前(スタント)が目立つなんて許されないんだよ!」みたいなこと言われてましたけど、ああいうのって全部が全部絵空事ではないんじゃないかなあ。ジェイソン・ステイサムも「誰もスタントマンを公に評価してない!」とかって怒ってましたし。
なのでまずはスタントマンへのリスペクトを全力で表明する映画であって。コルトのモノローグに合わせて『アトミック・ブロンド』とかワイルドスピードシリーズなどなどのアクションシーン、より具体的に言うならリーチ監督やユニバーサルの過去作の「スタントダブルがアクションしてる」シーンが次々と流れるオープニングとか、本作でのスタントアクションが次々と流れるエンドロールとかもう最高ですよね。
正直なところを言うと、これ一作でアクション映画を革新する一作だとか、何かものすごく超絶的なアクションを見せるタイプの映画では全然ないです。なので『ジョン・ウィック』みたいなのを期待すると肩透かしを食らう可能性は大いにあります。でもこの映画はそういうのじゃなくて、どちらかというと90年代あたりのアクションコメディにオマージュを捧げてる作品だと思うんですね。パンフレットの監督インタビューでも「私自身の初期のキャリアに敬意を表してる」って言ってましたし。
そう感じるもう一つの理由としてはやっぱりライアン・ゴズリングとエミリー・ブラントのコメディ的な相性の良さ。ライアン・ゴズリングは元々ああいう感じのにへら~っとした感じの優男(といっても今回はアクションも格闘も何でもできちゃうマッチョでしたけど)は得意とするところだと思いますけど、エミリー・ブラントにああいう感じのキュートなコメディ演技が似合うイメージ全然なかったのですごく新鮮でした。コルトとジュディが電話してるのを二分割の画面で同時に見せるシーンの、離れた場所にいるのに仕草が完全にシンクロしてる絵面の息ぴったりなところとかめちゃくちゃ面白かったし、そう思ってたら終盤の「いやあんたも強いんかーい!」っていう一方的な格闘シーンも笑っちゃいましたし。
あとは既存のロック・ポップス曲使いも良かったですね。
もうKISSが頭から離れませんよしばらく。