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観た映画の感想 #59『PATHAAN/パターン』

『PATHAAN/パターン』を観ました。

監督:シッダールト・アーナンド
脚本:シュリーダル・ラーガバン、アッバス・ティレワラ
出演:シャー・ルク・カーン、ディーピカー・パードゥコーン、ジョン・エイブラハム、ディンパル・カパーディヤー、サルマーン・カーン、他

インドやパキスタンにまたがるカシミール地方の自治権をインド政府がはく奪し、それに怒ったパキスタンの将軍カーディルは、元インド軍人のジムと手を組みテロ攻撃を企てる。インドの諜報機関RAW (Research Analysis Wing of India) に所属するパターンは、ジムが計画する生物兵器での攻撃を阻止するため動き出すが、デリーの上空を飛行中の飛行機に生物兵器が仕掛けられたことが判明。残された時間はわずか6分という絶体絶命の状況下で、インド最高のエージェントであるパターンは、母国を守るため奮闘する。
(映画.comより)

https://eiga.com/movie/98870/

観てる間、シャー・ルク・カーンの映画ってもはや伝統芸能なんだなあって思ってました。「スターの映画」って多かれ少なかれそういうもんだとは思うんですけど、とにかく全てのカットがキメ顔、決めポーズの連続なんですよね。息つく間もなくカッコイイ画がズバズバと決まりまくる。あれはもう歌舞伎で言う見栄です。

話の内容的にはミッション:インポッシブルにワイルドスピードのハチャメチャさを加えて更に荒唐無稽にした感じ。特に敵組織の「世界各国の元スパイを集めたならず者グループ」って設定はモロに『M:I ローグネイション』だし、「爆破された橋から落ちていく列車の屋根を走って逃げる」ってシーンもついこの前『デッドレコニングPart1』で観たばっかり。(アイディアが被ったのはさすがに偶然だと思うけど)
あとダンスシーンの音楽も微妙にワイスピっぽかった。

他のシーンもとにかく荒唐無稽で物理法則なんてあってないようなもん、そして勿論要所要所で挟まるシャールクのカッコいいキメ顔と決めポーズ! アクションは正直「いやそうはならんやろ」の連続なんですけど、街中でのカーアクションから多人数相手の格闘シーン、作戦に必要なあるものを盗み出す際の空中アクションから雪山でのバイクとスケートチェイスにトンデモ兵器を使った人間ドッグファイトまで豊富なシチュエーションとアイディア、それに何よりシャールクの圧倒的なスター性でもって畳みかけてくるので、観ている間はツッコミを入れる暇がない。

こんなにも着る必要性がなさそうな極細タンクトップがかつてあっただろうか

M:Iにしろワイスピにしろ他の超大作アクションにしろ、そういうハリウッド発の大ヒットシリーズに負けない超大作娯楽アクション映画をインドから送り出そうという気概もひしひしと伝わってくるので観ていて本当に楽しい。

ただその荒唐無稽なアクションの荒唐無稽すぎる部分(笑)はさすがに合成なので、自分自身の肉体だけで限界に挑戦することに徹底的にこだわってるトム・クルーズとかと比べちゃうとさすがに分が悪いかなとは思います。最後の崖際の廃屋でのシーンとかトムだったら本当に崖際にセット建ててやってると思うし……

あとこれはインド映画あるあるだと思うんですけど、回想の中に更に回想が入ることが多くて「あれ、これいつの話してるんだっけ……?」ってなりがちなところはあります。今作で言うと映画の前半パートが「回想で過去に戻って、そこから数年経った別の回想の話」なんですけど、細かいことは一旦脇に置いといてとりあえずアクションで盛り上がれれば良いタイプの映画ではあるのでまだ観やすいほうかなー。

僕はIMAXで観ましたが、デカい画面と良い音響で観たほうが絶対に楽しい映画だと思います。4DXもあったら楽しそう。

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