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映画感想 #132『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』

『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』を観ました。

監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス、スコット・シルバー
出演:ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ、ブレンダン・グリーソン、キャサリン・キーナー、ザジー・ビーツ、スティーヴ・クーガン、リー・ギル、ハリー・ローティー、他

理不尽な世の中で社会への反逆者、民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカー。そんな彼の前にリーという謎めいた女性が現れる。ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝播し、拡散していく。孤独で心優しかった男が悪のカリスマとなって暴走し、世界を巻き込む新たな事件が起こる。
(映画.comより)

https://eiga.com/movie/98960/

「あのジョーカーに続編ってどうやるんだ……?」って思って観に行ったら、「なるほどこれは『あの』ジョーカーの続編だ……!」となりました。

そもそも個人的には映画において、ジョーカーほど「内面の掘り下げ」という行為が無意味なキャラクターもいないと思ってます。
(映画において、と限定したのは原作コミックには疎いからです。既に原作にその手のエピソードがあったら申し訳ない、というかありそう……)
アーサー・フレックという社会で生きるの超絶へたっぴな冴えない中年男性がジョーカーになる、というところからスタートしてるホアキン版だからこういう風に続編が作れただけで、アメコミ映画でお馴染みの「1作目でやったことを2作目で相対化する」とか「1作目でやらかしたことのしっぺ返しが2作目で来る」みたいな作り方って本来ジョーカーというキャラクターとは全く相性が良くないと思うんですよね。これがジャック・ニコルソンとかヒース・レジャー、ジャレッド・レトのジョーカーだったらまずこういう話にはならないわけで。

なので「この男は本当にジョーカーになったの? それともやっぱりただのアーサーなの?」って問いかけるような内容に発展していくのも、前作で増えたジョーカー信者たちのことはどう落とし前をつけるの? って問題提起するような内容になるのも「アーサー・フレック/ジョーカーの物語」としてはものすごく納得のいくものでした。
やっぱりアーサーはどこまでいってもただの人間なので、最終的には彼本人よりも広がりに広がった「ジョーカー的なもの」のほうが大きく強くなってしまったってことなんじゃないかなーと。そこにもグラデーションがあって、裁判所から逃げるくだりで逃走に協力してくれたただのファンボみたいな奴からラストの刑務所に出てきた本物の狂人みたいな奴まで様々なのも野放図に広がったもの感があって。刑務所の奴は自分の顔にナイフで切り込み入れてましたし、あいつが「次のジョーカー」筆頭候補ってことなのかなとか。

ただ、そのことと映画として面白かったかどうかは別で、個人的にはあまり乗れなかったんですよね……
刑務所の中って受刑者が普通にタバコ吸ってもいいの……? とか、男女の受刑者が一緒の空間で何かするのって大丈夫なの……? みたいなディテールも気になっちゃうし。

ただ、ジョーカーではなくアーサーの物語の帰結としての納得感はすごくあったの、本当に。現時点では「映画としては好きじゃないけど賛否で言うなら賛」っていうめちゃくちゃアンバランスな感想に落ち着いてます。
何これ?

そういえばこのシーンあった?

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