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観た映画の感想 #83『トーク・トゥ・ミー』

『トーク・トゥ・ミー』を観ました。

監督:ダニー&マイケル・フィリッポウ
脚本:ダニー・フィリッポウ、ビル・ハインツマン
出演:ソフィー・ワイルド、アレクサンドラ・ジェンセン、ジョー・バード、ミランダ・オットー、オーティス・ダンジ、クリス・アロシオ、ゾーイ・テラキス、ジェームズ・オリヴァー、マーカス・ジョンソン、アレクサンドリア・ステファンセン、アリ・マッカーシー、サニー・ジョンソン、他

2年前の母の死と向き合えずにいる高校生ミアは、友人からSNSで話題の「90秒憑依チャレンジ」に誘われ、気晴らしに参加してみることに。それは呪われているという“手”のかたちをした置物を握って「トーク・トゥ・ミー」と唱えると霊が憑依するというもので、その“手”は必ず90秒以内に離さなければならないというルールがあった。強烈なスリルと快感にのめり込みチャレンジを繰り返すミアたちだったが、メンバーの1人にミアの亡き母が憑依してしまい……。
(映画.comより)

https://eiga.com/movie/99957/

めちゃくちゃ面白かったです。
「YouTuberが映画監督にー!?」っていうのが宣伝文句の一つとして大フィーチャーされてましたけど、そんなこと言われなきゃ分からんくらい映像表現も編集もしっかりしてましたし、逆にそんなに予算かかってなさそうな作りなのにそう見せない作りはむしろYouTuberとしての自主製作経験がプラスになってるんじゃないかって思ったくらいで。

体裁としてはホラー映画なんですけど、内容的には日本人の感覚で言うなら怪談、それも教訓としての怪談に近い話だったなあという印象です。
例えば「雨の日にあの川に行くと女の幽霊が現れて川に引きずり込まれる」という怪談があったとする。それは過去にその川で水難事故があって亡くなった女性がいるという事実が元になっていて、そこから生まれた怪談には「雨の日のあの川は増水して危険だから近づくな」という意味が生まれる、みたいな。

劇中でミアに起きたことって要するにどうしようもなく辛い時にオカルトに縋ると大変な目に遭うっていう普遍的な教訓であって、そういう時に頼るべきなのはそこじゃないっていう話だと思うんですよね、この映画。
今作で言うならミアの父親がそうで、彼はずっとミアのことを気にかけていたわけじゃないですか。父親ともっとコミュニケーションを取っていればあんなことにはなってなかったはずで。

だから、降霊パーティーを仕切ってたあの二人が最後にちゃっかり逃げ切り成功してるのすごい邪悪だと思うんですよね……w
少なくとも劇中の時間軸で言うならあいつらが元凶みたいなもんなのに、何しれっと「あとはよろしく」みたいな感じでフェードアウトしてんだよっていう。心理的にはあの二人にも相応のしっぺ返しはあって欲しかったけど、「危ないことしてる陽キャ」ってああいう感じで上手いことやってるのかもなって思うと映画の中では正しい結末な気も。

ホラー映画として観ると、ジャンプスケアもほぼないし、ライリー君の怪我の生々しさとか多少の血要素はあれどかなりストレスフリーなつくりだと思いました。ジェームズ・ワンの映画みたいに、あと一回驚かされたら俺は死ぬかもしれないみたいな感じで怖がらせてくる感じでは全くないw
恐怖感というか不気味さとか不穏さでじわじわ攻めてくるタイプのホラー映画で、ラストの長回しからの「そっち側」に視点が移るオチの切れ味とかもかなり好みでした。
すでに続編も決まってるみたいですけど、あの「手」がある限りはいくらでも続編が作れるタイプのお話だし、2作目の出来と興収次第では息の長いシリーズになりそうな感じもするので楽しみです。

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