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詩 未満

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#日記

「花束をキミに…」

「花束をキミに…」

妻のアイデアで
葉っぱがすてきな花束になりました

黄色い葉っぱは
太陽の光で黄金色に染まりました

はいどうぞ

ちょっと前には
はいどうじょって言ってたのに
すっかりお姉さんになったね

ふと
あなたから本物のブーケを
もらう日のことを想像してしまった

そんな日がやがて訪れるだろうか
その時 僕はどんな表情だろうか

父親でいることはなかなか楽しい
そう思う

それにしても…
にほひが…

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「宵は短し走れよ乙女」

「宵は短し走れよ乙女」

駆ける
カケル
翔る

日が暮れる前の一瞬
美しいリフレクション

人生は長くない
キミはまだ知らないけれど
僕はもうそれを知っている

やりたいことをすぐやれ
お金はちょっとしか出せないけど
行きたいところに翔んでいけ
この光景も宵のうちの一瞬ならば

カケロ!
今すぐ
夜が来る前に

多元宇宙論

多元宇宙論

知ってた?
人の数だけ宇宙があるって

僕の知る世界は僕だけの宇宙
君にも君だけの宇宙があるよね
マルチバースって言うんだって

僕はここから君の宇宙を眺めているよ
まだ小さいけれど
なかなか楽しそうだね

僕の宇宙と君の宇宙が触れ合うとき
何かを共有するとき
それは感情でもイメージでもいいけど
少しだけ宇宙が広がる気がするんだ

誰かと手を繋ぐとき
クロールを泳ぎきったとき
草原に寝転がるとき

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バージンロードまで…

バージンロードまで…

駅から学校までの葉桜並木
その緩やかな坂の途中で
君は何かを待っている

行き過ぎる顔は
皆どれも同じに見えて
僕にはお目当てがさっぱりわからない

君は来るとも知れない何かを待ちながら
手持ち無沙汰に僕の手を打つのだ
苛立ちとも不安とも取れる仕草で

さぁもうお行き
そのグラグラとした目の奥の影を見て
僕は促した

一歩進みかけて
振り返る
また一歩踏み出しては
振り返る

一度僕の顔を見て

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ずっと忘れへん

ずっと忘れへん



毎年やってる花火やけど
今年くらい特別なんはない
どっこにも出かけんと
田舎にすら帰れへん
でもそれは特別な魔法や
いつもは埋もれてしまう思い出も
今年だけは上位に食い込むで
だからずーっと忘れへんねん
あの夏のあの花火だけはな

背中

背中

いつからかね
あなたの背中を見てたのは

好奇心に溢れるあなたは
いつも僕を置きざりにする

どんどん進め
振り返らず進め
でも…

つまづいたら
転んだら
いつでもこっちを向いていい

その時は
あなたがもう一度前を向けるよう
勇気付けるから

今は進め

備忘録

備忘録

彼女が手にしているのは
ポケモンのアシマリ
どこへ行くにもいっしょ

手に持ってなくても
カバンの中や
リュックの中に潜んでいる

パンパンのポシェットに
ギュウギュウの荷物
アシマリも苦しそうだ

雨の日も
風の日も
晴れの日も
いつもいっしょ

いつか
大きくなったら
忘れてしまうだろうか

君が忘れてしまってもいいように
僕がここに残しておくよ

黄金律

黄金律

アシマリ、これが池だよ
と言って池を見せる

あちこち行く度に
アシマリにあれこれ見せる謎の儀式

アシマリを通して見るこの世界
それは美しいだろうか
それは優しいだろうか

美しいからこそ
優しいからこそ
見せたいのだ自慢したいのだ

僕らがそれを護らなければ
彼女の未来を

反比例の法則

反比例の法則



古今東西
こどもがやりたいことは
えてしておとながして欲しいことと相反する

その日は梅雨の晴れ間で
目の前に広がる光景に
思わず彼女は父親の手を強く引いた

対する父親は
娘の興奮を目の当たりにして
これから起こるであろう出来事を想像し躊躇した

娘が手を引く力が強まる
それは父親のためらいを察知したから
父親の顔にそう書いてあるから

娘に手を引かれながら
父親は妻の顔を思い浮かべた
ママ

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バトンは渡る

バトンは渡る

僕には背負うものがある
僕の両親もそうだったろう

母は
僕が小三の時に
一念発起して
学生になった

高卒の母が
夜遅くまで
勉強をして
看護学生になった

いつも9時に寝かされていた僕
ベットに横たわり
フスマから漏れてくる明かりを見つめながら眠りにつく
その明かりは僕が起きているうちに消えることはなかった

僕には背負うものがある
僕の両親もそうだったろう

それはなんのため
そしてだれのた

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リズム/呼吸

リズム/呼吸

けんけんぱ
イチニッサン

大地を蹴るリズムと
シンクロする呼吸

それは美しく愛おしい

アカアオキ
レッドグリーンイエロー

シャボン玉は
次々に色を変え

点在するブロックは
いつしか僕の中で混ざり合うハーモニー

軽やかなステップで
この困難を飛び越えて
息をするように

HELLO

HELLO

男子にはないのよ
その感じ
鏡越しの自分に微笑みかけたりとか

男子にはないのよ
その感じ
化粧して気分がアガるとか

ホワホワ
ポワポワ
自分に夢中やね

幸せやなー
羨ましいわ
ほんまに

世界は好きなもので溢れている

世界は好きなもので溢れている

好きなお菓子の言い合いっこ
好きなご飯の言い合いっこ
好きなフルーツの言い合いっこ
好きな外食屋さんの言い合いっこ

学校に向かう道すがら

パパは何が好き
って聞きながら
自分が話してばっかり

…うん…うん…うん…
頷きながら
あなたの好きで溢れるこの世界を護りたいと思った

ベターハーフ

ベターハーフ

何のために自分が生まれてきたか
なんて知る由もない

何ために自分が生きてるか
なんて知る由もない

ただ息をして
ただ食べて
ただ眠る

そんな日々に
意味を与えてくれた存在

生まれてきた意味を
生きる意味を

知りたくて
求め彷徨う日々

見つけたと思って
やっぱり違った
その繰り返し

そんなものはないかも知れない
ただ生物的に生まれただけだと

そしてあなたと出会えた

あなたは生きる意

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