#日記
バージンロードまで…
駅から学校までの葉桜並木
その緩やかな坂の途中で
君は何かを待っている
行き過ぎる顔は
皆どれも同じに見えて
僕にはお目当てがさっぱりわからない
君は来るとも知れない何かを待ちながら
手持ち無沙汰に僕の手を打つのだ
苛立ちとも不安とも取れる仕草で
さぁもうお行き
そのグラグラとした目の奥の影を見て
僕は促した
一歩進みかけて
振り返る
また一歩踏み出しては
振り返る
一度僕の顔を見て
ほ
背中
いつからかね
あなたの背中を見てたのは
好奇心に溢れるあなたは
いつも僕を置きざりにする
どんどん進め
振り返らず進め
でも…
つまづいたら
転んだら
いつでもこっちを向いていい
その時は
あなたがもう一度前を向けるよう
勇気付けるから
今は進め
世界は好きなもので溢れている
好きなお菓子の言い合いっこ
好きなご飯の言い合いっこ
好きなフルーツの言い合いっこ
好きな外食屋さんの言い合いっこ
学校に向かう道すがら
パパは何が好き
って聞きながら
自分が話してばっかり
…うん…うん…うん…
頷きながら
あなたの好きで溢れるこの世界を護りたいと思った