見出し画像

リーダーとメンバーが知っておくと、心が楽になる3つの理論

最近、新しいミッションが決まり、自分がマネジメントしているチームから離れることが決まりました。

関連する引き継ぎ進行中ですが、新しいリーダーと、新しいリーダーを迎えるメンバーに向けて、僕が知っていて心が楽になった3つのリーダーシップ理論を、よい機会なので置いておきます。

そもそもこういうタイミングって、両者気負ってしまいやすいですよね。
でもこの3つを知っていると、リーダーとメンバーがお互いの役割を尊重して、自然体でチームを運営していけると思います。

もちろんこういうタイミングじゃない人にも役に立つので、チームで仕事をする人には読んで感想もらえると嬉しいです。

リーダーは役割の一つ。別にえらくない

まず大前提となるリーダーのスタンスと役割の話。

リーダー=えらい人

というイメージある人も多いと思いますが、リーダーはあくまで会社における「役割」の一つです。
報酬もリーダーがメンバーより多い必要はありませんし、そうしている会社も多いです。
また一般企業にいる分には、きちんと勉強してスキルを身につければ、それなりにどんな人でも役割を担えます

リーダー=遠くを見て近くが見えづらい経営や上長と、近くを見て遠くが見えづらい現場の調整、翻訳担当。

この役割を知った上でメンバーに向き合わないと、「えらそうなイキった人」になりやすいです。

個人的な失敗談ですが、前職で新しいチームのリーダーをすることになった際、

よっしゃ全員のリーダーとして俺が思う最高な戦略を決めてガンガンみんなを引っ張って結果出すよう頑張るぜー

と気張ったところ、「佐々木くん、えらそう」と、しょっぱなチームメンバーになった先輩女性社員に苦言をいただいたことがあります。

(もし苦言をもらわなかったら、イキりやろうで誰もついてこない名ばかりリーダーになっていたと思うので、アドバイス超感謝してます。ちなみにその先輩とは縁あって、いまnoteで一緒に勤務中です)

実はこの役割の話、「連結ピン」として、1961年にアメリカの組織心理学者のリッカートという人が提唱した結構古い理論です。

連結ピンのイメージ

「連結ピン」とは、米国の組織心理学者R.リッカートが提唱した組織とリーダーシップの関係に関する概念です。リッカートは、人と人、人と組織、組織と組織を有効に結びつけ、コミュニケーションを円滑化する“潤滑油”の役割あるいはそうした役割を果たす能力を「連結ピン」と呼び、リーダーやマネジメント層には連結ピンとしての機能が求められるとしています。

日本の人事部 https://jinjibu.jp/keyword/detl/478/

連結ピンという役割定義を知っていれば、リーダーも変に気負うこともなくメンバーと対話できるでしょうし、逆にメンバーも「連結ピンとして微妙にワークしてないな」と思ったら、気後れせずアドバイスをしてあげてください。
リーダーが役割なら、「メンバーである」というのも対等な役割だからです。

またリーダーを目指したい人は、まずは身近なチームメンバー同士や組織横断プロジェクトなどの連結ピンとして、チャレンジするといいかもしれません。
会社の役職にはついていなくても、リーダーにはなれますし、結果的にいつの間にか役職がついてきたりします。

最高のリーダーシップはない

それと勘違いしがちなのは、リーダーには見本となる型があり、身につければどんな状況、どんな組織でも最高のリーダーになれる、という考え方です。

言われてみれば当たり前なのですが、事業ステージやチームの状況、対象のメンバーによって好ましいリーダーシップの形は異なります。

出典先は↓のサイトと一緒です。

そのものズバリでシチュエーショナル・リーダーシップ理論=「SL理論」です。

 SLは「Situational Leadership」(シチュエーショナル・リーダーシップ)の頭文字をとったものです。「Situational 」とは、「状況の」という意味ですので「Situational Leadership」とは、「状況にあわせたリーダーシップ」のことです。ちょこっと堅くすると「状況対応(型)リーダーシップ」なんて言い方をします。

https://www.earthship-c.com/leadership/situational-leadership-theory/

これも1977年という結構昔からある理論。

部下、発達度、というとなんか堅苦しいですが、ようは新しい仕事に慣れていない人には、まずは基礎のやり方をきちんと指示し、慣れてきたらじょじょにおまかせし、最終的には独り立ちしてもらう、という話です。
ベテランと新人に同じリーダーシップを発揮していたら、そりゃダメだ、ということ。

リーダーならたしかに。というところですが、この理論をメンバーが知っておいたほうが良いのは、自分の発達度を加味したサポートをお願いしやすいことです。

新しい仕事に取り組むときは誰しも初心者なので、いきなり放任されるより、年次に関係なくはじめは指示的にしてもらったほうが、スタートが早かったりしますよね。

「私は結構ベテランだから…」「恥ずかしいし…」ということなく、自分の成長のために、リーダーに堂々とサポートの主張しましょう。結果的にそれがチームの成長になるので。

この考え方自体は、メンバーの発達度に言及していますが、僕はチームの発達度もまったく同じと考えてます。

メンバーひとりひとりを見ると、新人もいればベテランもいる。あるジャンルでは発達しているけど、別のジャンルは苦手な人もいる。でも組織全体では、メンバー全員がチームワークを発揮し、一つのチームとして援助や委任型まで成長している。

今回は、そんな状況をみなさんが作ってくれたからこそ、僕がチームを離れ、新しいミッションに立ち向かうことができるようになりました。
みなさん、本当にありがとうございます。(寂しいですが・・・)

常に半期ごとにチャレンジを

最後に、リーダーもメンバーもモチベーションを高めて、良いコンディションにしておくコツを。

それは職務充実と職務拡大です。

意外とネットにいい絵が落ちてなかった

図で表現しきれたか自信ないですが、ようは仕事の面積を広げる=新しいことにチャレンジすると、みんなテンション上がるよね、というお話です。

職務充実は、いましている仕事の裁量の範囲を増やし、もっと深堀りチャレンジをしていくこと。
職務拡大は、いましている仕事以外の仕事もして、横へ新しいチャレンジをしていくこと。

例えば、新リーダーは今の仕事の裁量の範囲を増やしてますし、「リーダー」という新しい役割のチャレンジをしていることになります。

充実と拡大はそれぞれ唱えた人違うのですが、これも1960年ぐらいの理論。

メンバーから見ると「自分の仕事に飽きた」「成長が感じられない」
リーダーから見ると「メンバーがつまらなそう」「チームが停滞している」と感じたら、半期ごとに、

・チームにとって新しいチャレンジを設定しているか
・メンバーにとって新しいチャレンジを設定しているか
・自分にとって新しいチャレンジを設定しているか

をぜひ自分たちでチェックしてみてください。もしチャレンジがなかったら、横でも縦でもいいので、一緒にわくわくする目標をみんなで話し合って決めましょう。
それがそのままチームのミッションや個人のミッションになるはずです。


リーダーが連結ピンとしての役割を果たし、経営もチームも満足する、チームやメンバーの発達度に合わせた、みんながわくわくするチャレンジ目標。

これを自分たちで話し合って設定できるのが、自走するチームの最終形態だと僕は思っています。

いいなと思ったら応援しよう!

佐々木 望
読んでいただきありがとうございます!頂いたサポートはnoteで他の方のサポートに使わせていただきます。

この記事が参加している募集