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9. このマーケティングフレームワーク、いくつ知ってる?

いよいよ実践編です。
今までのところがスタンスや取り組み方といった「基礎知識編」でした。それを踏まえながら、マーケティングフレームワークの使い方を説明していきます。

本noteは、ポートフォリオワーカーになった、外資系IT企業マーケティングマネジャーによる、『初めてマーケティングを学ぶキミに伝えるマーケティングフレームワーク活用講座』
の連載企画です。

前回はこちら、最初から読まれる場合はこちらからどうぞ。

マーケティングフレームワークとは

マーケティングフレームワークとは、
現状を客観視し、効率よく思考を進めるための枠組み、戦略立案のためのツール


です。マーケティングツール、戦略ツール、戦略スキーム、呼び方は何でもいいです。とりあえずは、上記目的のために使用するための道具を、「マーケティングフレームワーク」、あるいはただ単に「フレームワーク」とボクは呼んでいます。

この戦略立案のためのフレームワークですが、いくつかの特徴があるとボクは思っています。

✔もれなく考えると抜けがなくなる
単体では使えない(ことが多い)
使う適材適所がある
ビジネス規模により適材適所がある
思考法も含まれる(ことが多い)

そもそもフレームワークは、戦略立案時に確認すべき点をまとめたチェックリスト的な役割ももっています。フレームワークを使うと、「もれなく考えることができる」のは想像に難くないでしょう。

「単体では使えない(ことが多い)」
次の「単体では使えない(ことが多い)」ですが、これはボクがマーケティングを学習し始めた時に知りたかったポイントです。たとえば、「マーケティングフレームワーク」に関する本を購入して、学習しようとすると、複数のフレームワークが意味合い、実用性の強弱なく、フラットに説明されます。

すると、どのフレームワークが有効で、どういう機会で使用するのかが大変わかりづらいのです。

また、説明が数ページで完結しているため、そのフレームワークは「点」でしか認識されず、「線」あるいは「面」のパーツとしてなかなか結び付けられないのです。3Cは3Cでしかなく、4Pは4Pとしてしか、機能できないのです。

マーケティングフレームワークは、「現状分析→施策」までの首尾一貫した論理的な思考プロセスの上で成り立つものです。4Pは現状分析があり、戦略が決まって初めて戦術方法として機能します。分析手法である3Cだけでは、ただの現状報告レポートにしかなりません。組み合わせが必要なんです。

「使う適材適所がある」は、説明したように、分析ツールなのか戦術ツールなのかがわかりやすい例です。当たり前ですが、分析の際に、4Pで思考しようとおもってもダメですよね。どの際に、どのフレームワークを使うはだいたい決まっています。

「ビジネス規模により適材適所がある」「思考法も含まれる(ことが多い)」は、後ほどご説明させて下さい。ボクの事例とともに説明しようと思います。

有名なマーケティングフレームワーク

以上の点を踏まえながら、有名なマーケティングフレームワークのオーバービューを見てみましょう。

下記はボクがインターネットから、あるいは自分の蔵書から、「マーケティングフレームワーク」という切り口で書かれているものをリストアップしたものです。いろいろなものがあるのですね。

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いくつのフレームワークを知っていますか?

ボクはマーケティングを20年以上やっているので、大抵のものは知っています。逆の言い方をすると、全部は知りません orz ボクってマーケティングを極めてないのでしょうか。。。

気を取り直し、これらのフレームワークをちょっと色分けしてみたいと思います。

色分けはボクの基準です。色分けの意味がおわかりになりますでしょうか?

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ピンク:これらはマーケティングフレームワークというよりも思考法に近いと思います。ポイントであげた「思考法も含まれる」がこれに当てはまります。思考法のため一朝一夕では身に付きません。知識として考え方、やり方を理解したら、実践あるのみです。

ボクも20代のときに、何冊もの本を読みました。
脳に汗かきます!
お勧めの本は別の機会にご紹介したいと思います。

グリーン:名前はきいたことあるけど、ほとんど使ったことがないフレームワークです(汗

PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)*などは、提案資料とかに入っているとカッコいいのですが、複数のビジネスを行っている企業以外あまり役に立たないフレームワークです。

*事業や製品のライフサイクルを、問題児、花形、金のなる木、負け犬の4つのフレームで立ち位置を確認する経営戦略分析、こんなの

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プロダクトマネージャーとして、複数の製品ラインの責任者をしている時に1回だけ使ったことがあります。でも、「そうだよね、この製品、売上悪いし、もうシャちってるよね」と、再認識しただけで、調査と資料作成負荷の割にはあっさりしたフィードバックしか得られませんでした。所詮、分析ツールです。売上30~50億円規模のビジネスでは、正直必要ない感じです。

上のポイントで挙げた「ビジネス規模により適材適所がある」があるが、これにあたります。

そもそもソフトウェアの製品ライン群なので、マーケットは似通っており、使えなかったのかもしれません。いずれにせよ、異なったマーケットに対して複数のビジネスを行っていない場合は不要と思われます。


PESTは、SWOT分析の外部環境分析によく使われるフレームワークです。
「P:Politics(政治)、E:Economy(経済)、S:Social(社会)、T:Technology(技術)の観点から今後自社や業界に影響を与えそうなことを想定するフレームワーク」です。一見、有効そうなのですが、広すぎるし、逆に狭すぎます。

IT業界的な観点で語ると、Technologyはもっと細分化して考えないと行けないですし、PoliticsとEconomyはあまり影響を受けません。そもそも、Economyについては、どの企業でも影響受けるわけで、その影響度合いについては、ある意味、Socialに網羅されるようなイメージです。そのため僕がSWOTをやる際には、PESTではなく、もっと違う切り口で外部分析を実施します。

ライトブルー:ボクが主に使っているフレームワークです。本連載のメインで、詳しく説明しようと思っているフレームワークです。通常はこれ以外使いません。それで、30-50億円のビジネスプランを書いてきましたし、1億円規模の不動産投資物件のビジネスプランも書いています。

これ以上の規模のビジネスをやるのであれば、足りないかもしれませんが、このぐらいの規模のビジネスの方であれば、これさえ身に付けていけば事足ります。

とはいえ、このやり方をマスターしてしまえば、いろいろなケースで応用が効くフレームワークです。50億円までのビジネス、不動産投資の物件戦略、転職等々では普通に使えます。

オレンジ:これも思考法に近いかもしれませんね。ライトブルーを補完する意味で、たまに使います。知識として知っておき、使う場面で使えばいい感じです。リリーフ投手的なフレームワークと言えそうです。


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