
TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか
こんにちは、ラン丸(@sign45917948)です。
最近では、TRUST(信頼)がひとつのキーワードになってきています。
その認識は、誰もが持っているのではないでしょうか。
今回は、『TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』についてレビューしていきたいと思います。
「わたしたちは今、人類の歴史の中で3度目の、もっとも大きな信頼の革命の入り口に立っている」
――著者はこのように仮説を立てています。
信頼の歴史は、「ローカルな信頼」から中央集権的な「制度への信頼」へと変化してきた後、昨今では「制度への信頼」が根本から揺らぎ、「分散された信頼」がそれに取って代わろうとしているといっています。
その変化を「革命の入り口」と表現しました。
著者は10年にわたって、製品やサービス・情報を多くの人に届ける方法を根本的に変えるようなネットワークやマーケットプレイス、システムを研究してきた人物です。
本書はそんな著者がウーバーやアリババ、エアビーアンドビーの事例を取り上げながら、デジタル時代の【信頼】について語った力作です。
本書を読むことで、私たちがカオスと混乱の時代の淵に立たされていて、「分散された信頼」という新たな信頼への変化に立ち会っていることを理解できるはずです。
著者は、分散された信頼の時代では、「誰をどう信頼するのか」が問われることになると主張しています。人工知能(AI)やロボットから中国の国民格付けシステム、ブロックチェーンまで、最新のテクノロジーやシステムとどのように付き合っていくべきか、信頼という観点からヒントを得ようとしています。
本書のレビュー
要点①
中国のビジネスでは、信頼が重要。
アリババの創業者ジャック・マーは、買い手に売り手を信頼させ、ものを買わせるために、売り手の認証制度を設けました。認証を受けた売り手への問い合わせは、未認証の売り手よりも6倍多かったと言っています。
要点②
人は、アイデアを信頼し、プラットフォームと企業を信頼し、個人を信頼するという順に新しいビジネスへの信頼を深めていきます。
要点③
中国政府は、国民の信用力を格付けするシステムを開発中。
すでに数百万人が登録済みで、信用履歴、履行能力、個人的な特徴、行動と嗜好、人間関係の5つの要素から人間を格付けする仕組みになっています。
ランクが高い人には、さまざまな特典が提供されています。
信頼とは何か
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5,028字
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