ユングを詠む_(026)『タイプ論』-河合俊雄氏の解説
『タイプ論』:河合俊雄氏の『ユング_魂の現実性リアリティ』から解説
ユングの心理学全貌をまとめた良い書籍がなく、俯瞰的にみることがなかなかできないでいる。
『ユング心理学辞典』というのが出版されているが、『赤の書』が出版される前のものであり、新鮮度がどうかと思うので図書館で見極めてから読むかどうか決めたい。話戻って全貌俯瞰できないあたりがこれまでユング心理学の活用が進まなかった理由でもありそう。
特に同じ言葉が執筆時期や文献ごとに違った意味で使われたり、同じ理念・概念を表す言葉が違っていたりして解釈が難しい。
そこで、河合隼雄氏のご長男の河合俊雄氏のユング解説書『ユング 魂の現実性リアリティ』[6]を読んでみた。こんなふうに読み解くことの難しさを紹介している。
2つの対立するものの中に更に対立するものがある場合は割と理解しやすい。対立の軸が違うことだろう。X軸上の対立ではなくY軸上の対立と捉えればいい。ユングは親切にそんな説明はしてくれていなくてドグマ的独り言のように書かれている。また、彼は数学が嫌いだ。
同じ名前のものが違う時は文脈から判断するしかないが、初読時は混乱する。しかし、便利なユング辞書みたいなものが『ユング心理学辞典』だといいが。それから年表でも書いて執筆された時期でおおよそどんな意味で書いているか調べてみたい。
とにかく読み進むに骨が折れる。更に、、、
上の図では、影とアニマは別物として描かれている上に、”個体“というまたわからんものが書かれている。他にも『夢分析』の中には何種類も“心の構造“をかいた図が出てくる。講義のたびに違う図を書いているようである。
『タイプ論*』以外にも『自伝*』、『結合の神秘』、『黄金の花の秘密』、『夢判断』,『分析心理学』、『死者への7つの語らい*』、『赤の書』、『自我と無意識の関係』、『リビドーの変容と象徴』(変容と象徴)、『アイオーン』、『ヨブ記』、『転移の心理学』、『心理学と錬金術』といったユングの著作から引用されながら説明・解説されている。
*印は私もほぼ読んだものであるが、『タイプ論』以外はどこをどう読んだら『ユング 魂の現実性リアリティ』[6]に書かれている説明・解説になるのかわからない。浅学の私にはまだまだ及ばないってことらしい。
ということで、ここからは、私でも理解できる(本当か?)『タイプ論』を河合俊雄先生はどう解説しているか紹介する。
表現というより視点が違うといった方が良いと思う。やはり、後の説明では見方も追加されている。
フロイトの見方、アドラーの見方だけが唯一無二の正解と認識しない、固定概念化しないことが重要ということだろう。ユングの見方においても然りということは、こう説明されている。
『タイプ論』の中で何度も一面的にタイプを捉えないでほしいとユングはコメントしていた。タイプとは動力学的・ダイナミックなものと言っている。
場面によってはペルソナとして違うタイプを演じることもあるからタイプは固定的なものではあり得ない。が、あの人は内向的直観・感情型だからこうに違いないとか、あのタイプとは相性が悪いとか決めつけるような使い方は避けてほしいということだろう。
ここからは、[6]の本題の“ 魂の現実性”に触れていくが、この“魂”とはまたしてもユング独特の意味を持っていることと『タイプ論』の中では議論されていないので錬金術あたりで触れてみたい。
というわけで今回はここまで。
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参考文献[1] MBTIタイプ入門(第6版)https://amzn.asia/d/gYIF9uL
参考文献[2] MBTIタイプ入門 タイプダイナミクスとタイプ発達編https://amzn.asia/d/70n8tG2
参考文献[3] 『タイプ論』https://amzn.asia/d/2t5symt
参考文献[4] ユングのタイプ論に関する研究: 「こころの羅針盤」としての現代的意義 (箱庭療法学モノグラフ第21巻) https://amzn.asia/d/aAROzTI
参考文献[5] 『元型論』https://amzn.asia/d/eyGjgdX
参考文献{6}『ユング――魂の現実性(リアリティー) (岩波現代文庫)』https://amzn.asia/d/cUEvxPS
背景画像:原案:ティールコーチ小河。作画:ChatGTP4o。
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こころざし創研 代表
ティール・コーチ 小河節生
E-mail: info@teal-coach.com
URL: 工事中
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